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①ソーラーシェアリングの導入

洋上風力発電を除くと、遊佐町の再生可能エネルギーポテンシャルがもっとも高いのは太陽光発電であり、中でも広大な農地におけるソーラーシェアリングは、非常に大きな可能性を持っています。

ソーラーシェアリングは、農地の上に架台を立ててその上に太陽光パネルを載せて発電し、下で耕作を行う手法を指します。作物と発電で、太陽のエネルギーを「シェアする」という考え方です。各地で様々な作物での導入例が増え、作物ごとに適切な遮光率などの知見が揃ってきました。基幹産業である農業分野で太陽光発電を導入することで、農業者の副収入確保や農業での再生可能エネルギー利用の拡大が期待できます。

ソーラーシェアリングの導入にあたっては、次のような点を慎重に検討する必要があります。

  • 地吹雪に耐えられる架台・パネルの設置方法
  • 営農規模が大きいことに対応できる設置規模
  • 発電した電気の使途、自営線敷設の可能性 など

 ソーラーシェアリングの導入事例

出典:農林水産省「営農型太陽光発電について」

出典:農林水産省「営農型太陽光発電について」

出典:農林水産省「営農型太陽光発電について」

②荒廃農地における導入

再び耕作される見込みのない荒廃農地において、土地利用型の太陽光発電事業を推奨します。

山林等における事業に比べて環境改変の影響が少ないこと、土地の管理が行われることで獣害等の拡大を抑止できることなどのメリットが期待できます。

事業を実施したい事業者からの相談を受け付け、土地所有者との調整を支援するなどして、町が適正な事業展開を支援します。

③住宅・事業所における導入

一般家庭や事業所の屋根、カーポートなどでの導入を進めるため、設置・活用事例の発信や補助金制度(国・県制度を含む)の情報発信を強化します。

近年では、固定価格買取制度での売電単価が下がっていることから、売電収入を得ることより、電気の自給を優先して考える方が望ましいと考えられます。蓄電池を併用した設置事例や、電気自動車を活用するV2Hの事例についても情報を収集・発信し、より有効な形で太陽光発電システムが活用されることを推進します。あわせて、近年導入事例が増えているPPAモデル(※)による活用も積極的に検討します。


※PPA(Power Purchase Agreement)は電力販売契約という意味で、再生可能エネルギー設備の所有者と電力の使用者が異なるモデル。設備をPPA事業者が設置し、電力を使用する者(需要家)は、PPA事業者に対して電気代を支払う。需要家の建物屋根や敷地内に設備を設置するオンサイト型と、需要家から離れた場所に設置するオフサイト型がある。

V2Hとは?

V2Hは「Vehicle to Home(車から家へ)」を表す言葉。電気自動車やプラグインハイブリッド車を蓄電池とみなし、車に蓄えた電気を住宅の電源として利用するシステムです。電気自動車等と住宅をV2H機器で繋ぎます。

太陽光発電を導入している家庭なら、余剰電力を電気自動車にためておき、夜間にV2Hから住宅の電気を使うことで電気代の節約になります。停電時にも電気を使うことができるため、災害時の備えとしても有効です。

V2H機器の本体価格と設置工事費用を組み合わせると100万円前後からと、コスト面でのハードルがあるため、補助金の活用などを含め検討が必要です。

画像出典:次世代自動車振興センター

画像出典:次世代自動車振興センター