家庭のエネルギー需要の内訳は、動力・照明などが34.0%と最も多くを占めていることから、照明器具や家電製品を省エネルギー性能の高いものに切り替えていくことが有効です。しかし、給湯が27.8%、暖房が25.1%と、「熱」に関わる割合も高く、特に寒冷地ではより大きなウエイトを占めます。給湯・暖房に使われるのはガス・灯油などの燃料が中心であり、これらの機器の電化を進めると同時に、直接、再生可能エネルギーでまかなう選択が普及することも重要です。
太陽光発電システムと同様に、設置・活用事例の発信や補助金制度(国・県制度を含む)の情報発信を強化することで、一般家庭や事業所における取組を支援します。
①太陽熱利用システムの普及
太陽の熱エネルギーを温水または暖気として活用するもので、集熱やエネルギー輸送に機械設備を要しないパッシブ型と、集熱やエネルギー輸送に動力を使うアクティブ型があります。
太陽熱利用システムの利用イメージ
画像出典:一般社団法人ソーラーシステム振興協会
②木質バイオマスの活用
豊かな森林を維持するためには、間伐など適切な保全活動が必要です。吸収源対策として森林整備を進めれば、建材等に利用できない木材も発生します。これを薪やチップ、ペレットとして燃料化し、活用することができます。
家庭や一般的な事務所等でも導入できる木質バイオマス活用設備として薪ストーブ・ペレットストーブ、薪ボイラーなどがあります。
温浴施設などお湯の需要が大きい施設では、灯油や重油炊きのボイラーを更新するタイミングで、木質バイオマスボイラーの導入を検討します。
間伐材などから燃料を製造することが新たな仕事となり、雇用が増加した地域もあります。木質バイオマスが燃料として活用されることで、これまで灯油や重油などの燃料代として町外に流出していた資金が、町内で循環することになります。
まずは町有林の保全活動を起点に、燃料加工・販売を行おうとする事業者との調整、需要拡大のための情報発信を進め、木質バイオマスの活用を拡大していきます。
ペレットストーブ(左)と薪ストーブ(右)の設置例

