国指定重要無形民俗文化財 遊佐の小正月行事(アマハゲ)
アマハゲとは?
「アマハゲ」とは、遊佐町吹浦地区の女鹿・滝ノ浦・鳥崎集落に伝わる民俗行事です。「ケンダン」という藁を何重にも重ねた蓑を身にまとい、鬼や翁の面をつけた若者が、正月に各戸を回って子供の怠け心をいさめたり、お年寄りの長寿を願う行事です。その起源は残念ながら定かではありません。
3集落に伝わるアマハゲは、大筋では共通し、類似している点も多くみられますが、面の表情や家での振る舞いなど、集落ごとに特徴がみられる部分もあります。
平成11年、「鳥追い」「ホンデ焼き」など正月に行う一連の行事とともに、「遊佐の小正月行事」として、国の重要無形民俗文化財に指定されました。しかし、「鳥追い」「ホンデ焼き」などは、少子化により現在は行っていない集落もあります。
平成30年11月、遊佐町のアマハゲを含む全国10カ所で行われている来訪神行事が「来訪神 仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
~「アマハゲ」の語源~
冬に囲炉裏(いろり)にあたってばかりいると、手足に火斑(ひだこ。火に長くあたったときに皮膚にできる赤いまだら模様のこと)ができることがあります。この火斑のことを方言で「ナマミ」「アマミ」ということから、「アマハゲ」とは「火斑を剥ぐ」という意味であるとされています。火斑を剥いで怠け心を戒め、勤労を勧めるとともに、厄災を払い、無病息災を願う意味合いがこめられているのでしょう。
遊佐町に伝承されているアマハゲは、秋田県男鹿半島に伝わる「ナマハゲ」と同じ系統のものと考えられています。このように類似する行事は、同じ秋田県秋田市の「ヤマハゲ」、秋田県能代市の「ナゴメハギ」など、主に本州北部の日本海沿岸部各地に分布しています。また、新潟県村上市や石川県能登地方には「アマメハギ」という名前で伝えられています。一方太平洋側でも、岩手県大船渡市三陸町に「スネカ」と呼ばれる類似する行事が伝承されています。
実施日
アマハゲは、集落の神社で祈祷を済ませ、ケンダンを身にまとったあとに各戸を回ります。開始時間は準備が整って神社を出発するおおよその時間を表記しておりますが、天候や都合により前後する場合がございますので、あらかじめご了承ください。
- 女鹿のアマハゲ 1月3日 集落内の八幡神社を16時30分頃出発
- 滝ノ浦のアマハゲ 1月1日 集落内の大鳥神社を18時頃出発
- 鳥崎のアマハゲ 1月6日 集落内の三上神社を18時30分頃出発