• お気に入り

ページ番号:3841

更新日:

越境枝に関するルールが改正されました

これまでは、隣の土地から境界を越えて木の枝や竹が伸びてきた場合、自分で切り取ることはできず、その木の所有者に切ってもらうか、訴えを起こして切除を命ずる判決を得て強制執行の手続きをとる必要がありました。令和5年4月1日の民法改正により、越境された土地の所有者は、木の所有者に枝を切り取らせる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、自ら枝を切り取ることができるようになりました(改正後の民法233条3項1号~3号)。

  1. 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
  2. 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
  3. 急迫の事情があるとき

※土地の境界がはっきりしない場合は越境の有無自体が争いになる可能性がありますのでご注意ください。また、竹木の所有者とのトラブル防止のため、切取りまでの適切な手順については、弁護士、司法書士等の専門家にご相談いただく事をお勧めします。町では、実施について一切の件で責任は取ることはできません。

よくある質問

催告してからどのくらい待てばいいですか?

「相当の期間」とは、越境した枝を切り取るために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、事案によりますが、基本的には2週間程度と考えられます。

催告書はどのような内容を記載すればいいのですか?(参考例)

発送日、宛名(竹木の所有者)、越境箇所の状況や被害の内容、それらが分かる地図・図面・写真、期限を定めた所有者による対応依頼、所有者による対応がないときは民法で対応する旨、隣地を使用しようする場合は、使用の日時、場所及び方法などを記載してください。なお、送付に当たっては事前に弁護士、司法書士等の専門家に相談してください。

竹木の所有者又はその所在を知ることができないときとは、どのようなときですか?

個別事案にもよりますが、基本的には、現地の調査に加えて、不動産登記簿・立木登記簿といった公的記録を確認することなどの方法により調査を尽くしても知ることができないときを言います。

急迫の事情があるときとは、どのようなときですか?

個別の事案にもよりますが、例えば、台風などの災害により枝が折れ、隣地に落下する危険が生じている場合などが想定されます。

隣地の所有者はどうやって調べればいいのですか?

法務局の窓口やインターネットを通じて、どなたでも不動産の登記事項証明書の請求(有料)が可能です。また、町町民課での土地台帳の閲覧(有料)が可能です。また、集落や近隣の方が情報を把握している可能性もあるため、現地での聞き取りを行うことも有効な手段です。相続人調査が必要な場合は、弁護士等の専門家へご相談ください。

法務局ホームページ(外部サイト) 各種証明書請求手続

かかった費用は請求できますか?

越境した枝の切取り費用は、枝が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえ、基本的には、木の所有者に請求できると考えられます(民法第703条、第709条)。

枝を切るために隣地に入ることができますか?

あらかじめ、使用の目的、日時、場所及び方法を土地所有者に通知した上で、越境した枝を切り取るのに必要な範囲で、隣地を使用することが可能です。なお、あらかじめ通知することが困難なとき(土地所有者が不特定又は所在不明である場合、急迫の事情があるとき等)はこの限りではありません。(改正後の民法第209条)

※隣地所有者が立入りを拒否する場合は不法侵入になる可能性がありますので、その場合には自分の土地から越境部分の枝を切り取ることになります。

町が代わって越境枝を切ることはできますか?

越境した樹⽊の枝についても、隣の土地所有者の財産となるため、町が越境した枝を切ることはできません。今回のルール改正は「越境された土地の所有者」が適切な手順を踏めば枝を切れるものとなっています。樹木の越境については、基本的に民事(相隣関係)の問題となるため、雑草やツタの繁茂についても、所有者等が手入れをすることになりますので、町で刈り取ることはできません。当事者同士の話し合いに基づく解決や法律に基づく解決をお願いします。また、関連する件の法的な見解も町は一切お答えすることができません。

事前に専門家へご相談ください

民法改正により適切な手順を踏めば、ご自身で対応可能になった一方で、必要以上に枝を切りすぎたり、竹木の所有者との思わぬトラブルになる可能性もあります。これらの制度の活用や法の解釈によって越境した竹木の枝の切り取りをご検討される場合には、事前に弁護士や司法書士等の専門家へ相談し進めていくことをお勧めします。

山形県弁護士会ホームページ(外部サイト) 法律相談センター

山形県司法書士会ホームページ(外部サイト) 司法書士総合相談センター

関連資料

法務省ホームページ(外部サイト) 令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫貴帰属法のポイント