保護
埋蔵文化財の保護
私たちが生活している家や畑等の土地の下には、多くの遺跡が残されています。遊佐町には、令和7年3月現在で210か所の遺跡(集落跡、窯跡、城館跡など)があります。これらの場所を、文化財保護法では「周知の埋蔵文化財包蔵地」と規定し、保存・保護を図っています。→町内遺跡地図へ
埋蔵文化財は一度壊してしまうと二度と元の状態には戻すことができません。文化財の大切さと文化財保護法の意義や理念をご理解いただき、その保護について皆さまのご協力をお願いいたします。
埋蔵文化財とは
埋蔵文化財とは、土中に埋まっている文化財のことで、土地と切り離すことのできない住居跡・古墳・城館跡・貝塚などの「遺構(いこう)」と、動かすことのできる石器・土器・金属器・木製品などの「遺物(いぶつ)」で構成されています。これらの埋蔵文化財(遺構や遺物)が発見される土地を「遺跡(いせき)」と呼んでいます。
埋蔵文化財は、地域の歴史や文化がわかる貴重な文化財です。古文書や古絵図などの記録が残されていない時代においては、その歴史を解き明かすための唯一の資料です。また、文字資料のある時代においても、残されている記録を検証したり、記録に残されないような日常的な生活の様子を知ることのできる貴重な資料となります。
遺跡を見つけたとき、遺物を拾ったとき
土木工事など地面を掘り起こしているときに住居跡などの遺跡と思われるものを発見したり、土器や石器などの遺物を見つけたりした場合は、その状況を変えないようにして速やかに所在地の市町村(教育委員会)へ連絡してください。
それが初めて確認された遺跡であれば、遺跡発見の届出が必要ですし(文化財保護法第96条に基づく)、出土遺物があれば所轄の警察署へ埋蔵文化財発見届を提出することが必要です(遺失物法第4条に基づく)。
また、工事等の内容についても当該市町村(教育委員会)と協議を行い、遺跡の保護・保存に協力をお願いすることになります。その結果どうしても現状を変更しなければならない場合は、発掘調査等を実施することもあります。
遺跡の範囲内で土木工事等を実施する場合
埋蔵文化財の存在が知られている土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)は全国で約46万ヶ所あり、毎年9千件程度の発掘調査が行われています。遺跡(埋蔵文化財包蔵地)の保護と管理を図るため、遺跡の範囲内で土木工事等(住宅やマンション・店舗・工場等の建築・建替え、畑の天地返しや田んぼの盛土など、土地の造成等の掘削や盛土を伴う工事)を行う際には、文化財保護法に基づく手続きが必要です。
遺跡は、「土の下に埋まっている」という特性上、その範囲や内容を正確に把握するのは極めて困難であり、確認調査や工事立会の結果等に基づき変わることがありますので、常に最新の情報を確認してください。
詳しくは、防災センター2階 遊佐町教育委員会教育課文化係にて直接ご照会いただくか、お電話(0234-72-5892)にてご連絡をお願いいたします。
埋蔵文化財を寄贈したいとき
ご自宅に保管している埋蔵文化財を寄贈したいときには、事前に文化係までご相談ください。日程の調整を行い、職員が寄贈品の確認をさせていただきます。寄贈品の状態や文化係での所蔵状況によっては、寄贈をお受けすることができない場合がございますので、ご了承ください。
埋蔵文化財に係わる手続きについて
土地や建物に関係する各種事業において、
- 事業予定地が遺跡の範囲内にある、または隣接している場合
- 工事中に遺跡(土器や石器、住居跡など)を発見した場合
上記のいずれかに該当する場合は、文化財保護法に基づく届出が必要となります。
※埋蔵文化財包蔵地の外であっても、工事などによって新たに遺跡が発見された場合、新たに埋蔵文化財包蔵地となります。約1,000平方メートルを超える大規模開発を行う場合は、不時発見を避けるため、遺跡の有無にかかわらず文化係にご照会ください。
※遺跡の範囲内において無断で工事を行うと、文化財保護法違反となりますのでご注意ください。実際の工事を伴わない不動産取引等の場合には手続きは必要ありません。
1.遺跡等の有無の確認
町内で土木・建築工事を計画されている方は、事業予定地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するかどうかを、『山形の宝マップ(旧山形県遺跡地図)』(外部サイト)でご確認いただくか、文化係に照会してください。
※照会の際は、当該地の住所詳細(地番)までお知らせくださいますようお願いいたします。
※遺跡は、現在示されている範囲や内容等が必ずしも確定しているものではなく、調査結果をもとに随時修正がされています。常に最新の情報を確認してください。
2.届出
計画地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当する場合、文化財保護法第93条第1項に基づく「埋蔵文化財発掘の届出」を、工事着手予定日の60日前までに、文化係までご提出ください。
発掘届様式(文化財保護法第93条)
「周知の埋蔵文化財包蔵地」の範囲外で、埋蔵文化財を発見した場合には、文化財保護法第96条第1項に基づく「埋蔵文化財発見届」の提出が必要となります。工事中に文化財が出土した場合等は、一旦工事を停止し、現状を変更せずに文化係までご連絡をお願いいたします。
発見届様式(文化財保護法第96条)
※実際の記入方法や必要な書類など、不明な点については文化係まで照会してください。
3.届出後の取扱い
届出の受付け後、遺跡の現状を調査し、意見書を付して町から山形県に提出します。
後日、県から町を経由して埋蔵文化財の取り扱い等について、必要な指示が文書で通知されます。取扱い(指示事項)には、当該工事等が埋蔵文化財に及ぼす影響により、発掘調査、工事立会、慎重工事などがあります。
申請書の提出期限は工事着手の60日前までとなっていますが、県からの回答結果の送付までには、提出から1ヶ月程度掛かることもありますので、期間に余裕を持ってご提出をお願いします。
取り扱いの例
慎重工事
当該土木工事が遺跡に及ぼす影響がないと判断された場合、工事立会や発掘調査は実施しません。包蔵地内で工事を行うことを認識の上、慎重に工事を実施してください。工事中に埋蔵文化財が確認された場合は、工事を中断し文化係にご相談ください。
工事立会
工事の範囲が狭いために調査が行えない場合等は、施工時に文化係の職員が立ち会います。工事中に遺跡と考えられる状況が現れた場合には、工事を中断して調査を行なうことになります。
発掘調査
工事により遺跡が破壊されるなど、地下の埋蔵文化財に影響を及ぼすと判断された場合は、工事の実施に先立って発掘調査により記録保存を行います。
その他
重要な遺跡が発見されたときなどには、別途協議をお願いする場合があります。
※回答結果により、調査にかかる費用の負担をお願いする場合があります。(例:掘削機械や人員の手配など)
埋蔵文化財発掘の届出から工事着手までの期間は、工事立会・確認調査・発掘調査での遺構等の確認状況によって変化します。できるだけ早い時期に現地の状況を把握することで、より円滑な調整が可能となる場合がありますので、計画が具体化する以前でもお気軽に文化係へご相談ください。
活用
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