○遊佐町中小企業・小規模企業振興条例

令和2年3月13日

条例第2号

本町は、山形県の最北端に位置し、鳥海山と日本海に囲まれた豊かな自然環境、文化観光資源に恵まれて、長年、庄内平野での稲作と砂丘地の園芸作物を中心とした農業を基幹産業とし、また、町内企業の大多数を占める中小企業・小規模企業、地域に根差した小売店等の努力により、地域の雇用と経済を支え、その発展に寄与してきた。

しかしながら、近年は、農業のみならず、中小企業・小規模企業においても、人口減少、少子高齢化に起因する担い手、後継者不足が深刻な課題であり、本町産業全体の衰退が懸念されている。

本町の中小企業・小規模企業は、地域経済を牽引するとともに雇用を創出する源でもあり、地域社会の一員として住民生活を支える大きな役割を担つている。人口構造の変化、経済や社会構造が大きく変化している中、持続的なまちづくりを進めていくためには、中小企業・小規模企業の振興が本町経済と地域社会の発展に欠かせないものであり、町民の生活を豊かにするものであることを地域で共有するため、ここにこの条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本町の中小企業・小規模企業の振興について基本理念を定め、町の役割、中小企業・小規模企業の努力、地域経済団体、金融機関及び教育機関の協力、町民の理解と協力を確認し、町の施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を総合的に推進することで、地域経済の持続的な発展を図り、もつて地域社会の発展による町民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業 中小企業基本法(昭和38年法律第154号。以下「基本法」という。)第2条第1項各号に規定する中小企業者であつて、町内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 小規模企業 基本法第2条第5項に規定する小規模企業者及び小規模企業振興基本法(平成26年法律第94号)第2条第2項に規定する小企業者であつて、町内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 地域経済団体 商工会、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合その他中小企業・小規模企業の振興を目的とする団体で、町内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(基本理念)

第3条 中小企業・小規模企業の振興は、次に掲げる事項を基本理念として推進するものとする。

(1) 中小企業・小規模企業の創意工夫と自主的な努力が助長されること。

(2) 中小企業・小規模企業が人材、技術及びその他地域資源を活用し、町内経済循環の促進が図られること。

(3) 中小企業・小規模企業の振興に関わる全ての者が中小企業・小規模企業の持つ地域経済及び雇用等における役割の重要性に鑑み、中小企業・小規模企業の持続的な発展が図られるよう一体となつて取り組むこと。

2 前項は、町、中小企業・小規模企業、地域経済団体、金融機関、教育機関等中小企業・小規模企業の振興に関わる全てのものが共有し推進されるよう努めなければならない。

(町の役割)

第4条 町は、前条に定める基本理念に基づき、中小企業・小規模企業の振興に関する施策等を総合的に推進するものとする。

2 町は中小企業・小規模企業が豊かな地域社会づくり及び地域住民の生活力向上並びに交流の促進に寄与していることについて、町民の理解を深めるよう努めなければならない。

(中小企業・小規模企業の役割)

第5条 中小企業・小規模企業は、自主的な努力により、事業活動の推進に努めなくてはならない。

2 中小企業・小規模企業は、地域社会を構成する一員として、社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、豊かで住みよい地域社会の実現に貢献するよう努めなくてはならない。

3 中小企業・小規模企業は、商工会への加入に努めるものとする。

(地域経済団体、金融機関及び教育機関の役割)

第6条 地域経済団体、金融機関は、中小企業・小規模企業に対し、円滑な役務の提供に努めるものとする。

2 地域経済団体、金融機関は、中小企業・小規模企業の事業活動の推進に協力するものとするとともに、町が行う中小企業・小規模企業の振興に関する施策の実施に協力するよう努めるものとする。

3 教育機関は、教育活動を通じて、地域産業の理解を深めるための職業観の育成その他の必要な協力を行うよう努めるものとする。

(町民の理解及び協力)

第7条 町民は、中小企業・小規模企業が、地域経済の牽引役、かつ、雇用創出の源泉であるとともに、地域社会の一員として住民生活を支える大きな役割を担つていることを理解し、その振興に協力するよう努めるものとする。

(災害等における事業の継続等の支援)

第8条 町は、災害等の発生により事業の継続が困難となる中小企業・小規模企業の事業継続及び業績の回復のための取組を支援するものとする。

(基本的施策)

第9条 町は、第4条の役割を果たすため、次に掲げる基本的施策を講ずるものとする。

(1) 中小企業・小規模企業の経営の革新、創業の促進及び創造的な事業活動の促進並びに経営基盤の強化を図ること。

(2) 中小企業・小規模企業の先導的役割を担う人材及び技術の育成並びに確保を図ること。

(3) 中小企業・小規模企業の連携及び交流の促進、事業承継等の円滑化を図ること。

(4) 中小企業・小規模企業の良好な雇用環境の整備促進を図ること。

(5) 中小企業・小規模企業の資金調達の円滑化を図ること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認めること。

(財政上の措置)

第10条 町は、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(委任)

第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

遊佐町中小企業・小規模企業振興条例

令和2年3月13日 条例第2号

(令和2年4月1日施行)