○鳥海山の高山植物その他の植物で構成されるお花畠等保護条例
平成16年3月15日
条例第4号
(目的)
第1条 この条例は、鳥海山の高山植物その他の植物で構成されるお花畠等(以下「お花畠等」という。)が本町の自然環境の重要な構成要素の一つであり、その保護が生物の多様性を確保していく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、自然公園法(昭和32年法律第161号)及びその他の法令の定めるところによるほか、その保護に関し、盗掘等の防止並びに生育環境の保全及び自然と人との共生を図るための施策を講じ、もつて町民共通の貴重な財産として次代に継承することを目的とする。
(1) お花畠保護地域 鳥海山の偽高山帯以上(おおむね標高1,200メートル以上)の地域をいう。
(2) お花畠特別保護地区 お花畠保護地域において、特にお花畠等の生育環境の保全を図る必要があるとして指定する地区をいう。
(3) 特定保護植物 お花畠保護地域において、特に保護が必要な植物で、規則で定めるものをいう。
(4) 盗掘等 盗掘、踏み荒らしその他植物の生態系に支障を及ぼす行為をいう。
(5) 町民等 町民、旅行者及び滞在者をいう。
(町の責務)
第3条 町は、お花畠保護地域において、この条例の目的を達成するための施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。この場合において、遊佐町環境基本条例(平成15年条例第9号)第8条に規定する基本方針にのつとり、多様な生態系の保全に努めるものとする。
2 町は、教育活動、広報活動等を通じて、お花畠等の保護に関する町民等の理解を深めるよう適切な措置を講ずるものとする。
(町民等の責務)
第4条 町民等は、登山その他の野外活動を行うにあたつて、これらの活動がお花畠等の生育に支障を及ぼすことのないように配慮しなければならない。
(指定)
第5条 町長は、お花畠保護地域においてお花畠特別保護地区を指定するものとする。
2 町長は、お花畠特別保護地区の指定又は変更をしようとするときは、あらかじめ関係者と協議し、その上で遊佐町環境基本条例第26条に基づく遊佐町環境審議会の意見を聴かなければならない。
(行為の制限)
第6条 何人も、お花畠保護地域において特定保護植物の盗掘等の行為をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 非常災害のために必要な応急措置を行うためにする場合
(2) 法令に基づいて国若しくは地方公共団体が行う行為のうち、特定保護植物の生育環境の保全に支障を及ぼすおそれがないと認められる場合
(3) 通常の管理行為又は軽易な行為のうち、特定保護植物の生育環境の保全に支障を及ぼすおそれがないと認められる場合
(4) 第3号に掲げるほか、町長が特に必要があると認め、規則で定めるところにより許可した場合
2 前項第4号の許可には、当該特定保護植物の保護のために条件を付することができる。
(お花畠保護計画)
第7条 町長は、お花畠特別保護地区において、お花畠等の保護に関する基本計画(以下「お花畠保護計画」という。)を策定しなければならない。
2 お花畠保護計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 基本的かつ総合的な方針に関する事項
(2) 維持管理事業に関する事項
(3) 環境学習及び自然観察に関する事項
(4) その他保護に関する事項
3 町長は、お花畠保護計画の策定に当たつては、法令等に基づいて策定された計画との調和を図り、保護対策に努めるものとする。
4 第5条第2項の規定は、お花畠保護計画の策定及び変更について準用する。
(標識の設置)
第8条 町長は、お花畠特別保護地区を指定したときは、当該地区の見やすい場所にその旨を表示する標識を設置するものとする。
(お花畠保護インストラクターの登録)
第9条 町長は、町民等で希望する者の中から必要な知識を有すると認めた者をお花畠保護インストラクター(以下「インストラクター」という。)として登録するものとする。
2 町長は、登録したインストラクターに対し、必要な情報の提供及び研修を行うものとする。
(インストラクターの役割)
第10条 インストラクターは、お花畠保護地域において、お花畠等の生育状況の保護観察にあたるものとする。
2 インストラクターは、盗掘等の行為を発見した場合には、当該行為の中止を働きかけるとともに、その結果を町長に通報するものとする。
(罰則)
第12条 第6条第1項の規定に違反した者は、30,000円以下の過料に処する。
2 前項の過料の額は、違反した行為の内容に応じて規則で定める。この場合において、違反した者が町長が実施する研修に参加する場合又は自ら進んで鳥海山の美化清掃活動を行う場合は、これを免除することができる。
附則
この条例は、平成16年7月1日から施行する。