議 事 日 程 (第 2 号)

 

平成23年3月3日(木曜日)  午後2時06分 開議(本会議)

 

 日程第 1 ※補正予算審査特別委員会                             

       議第2号 平成22年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)             

       議第3号 平成22年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第4号)        

        議第4号 平成22年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第3号)          

       議第5号 平成22年度遊佐町公共下水道事業特別会計補正予算(第4号)       

       議第6号 平成22年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第2号)      

       議第7号 平成22年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)          

       議第8号 平成22年度遊佐町水道事業会計補正予算(第2号)            

 日程第 2 ※補正予算審査結果報告及び採決                          

 日程第 3 ※平成23年度施政方針                              

 

                       ☆

 

                  本日の会議に付した事件

 

(議事日程第2号に同じ)

                       ☆

 

                 出 欠 席 議 員 氏 名

 

応招議員  14名

 

出席議員  13名

     1番   筒  井  義  昭  君      2番     橋  久  一  君

     3番     橋     透  君      4番   赤  塚  英  一  君

     5番   阿  部  満  吉  君      6番   佐  藤  智  則  君

     7番     橋  冠  治  君      8番   土  門  治  明  君

     9番   三  浦  正  良  君     10番   堀     満  弥  君

    12番   那  須  良  太  君     13番   伊  藤  マ 子  君

    14番     橋  信  幸  君

 

欠席議員   1名

        11番   阿  部  勝  夫  君

 

                       ☆

 

                 説明のため出席した者職氏名

 

 町長  時  田  博  機  君   副町長  堀  田  堅  志  君

 総務課長  本  宮  茂  樹  君   企画課長  村  井     仁  君

  産 業 課 長  小  林  栄  一  君      地域生活課長  伊  藤     孝  君

 健康福祉課長  東 林  和  夫  君   町民課長  渡   会  隆  志  君

 会計管理者  本  間  康  弘  君     教育委員長  佐  藤  多 子  君

                          教育委員会

 教育長  那  須  栄  一  君       教 育 課 長   菅  原     聡  君

                          選挙管理委員会               

 農業委員会会長  阿  部  一  彰  君    委員長  尾  形     克  君

  代表監査委員    橋  勤  一  君                         

 

                       ☆

 

                 出

 

  局  長  金 野 周 悦   次  長  今 野 信 雄   書  記  斎 藤 浩 一

 

                       ☆

 

              本        会        議

 

議 長(橋信幸君)  延会前に引き続き本会議を開きます。

  (午後2時06分)

議 長(橋信幸君)  ただいまの議員の出席状況は、11番、阿部勝夫議員が所用のため欠席、そのほか全員出席しております。

  なお、説明員は町長以下全員出席しておりますので、ご報告いたします。

  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。

  日程第2、補正予算審査の結果報告に入ります。

  さきに補正予算審査特別委員会に付託し、審査をお願いしておりました平成22年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)ほか特別会計等補正予算6件について、補正予算審査特別委員会土門治明委員長より審査の結果について報告を求めます。

  補正予算審査特別委員会土門治明委員長、登壇願います。

補正予算審査特別委員会委員長(土門治明君)

                                  平成23年3月3日

  遊  佐  町  議  会

  議 長  橋 信 幸 殿

                               補正予算審査特別委員会

                               委員長  土  門  治  明

審 査 結 果 報 告 書

  平成23年3月2日、定例本会議において、本特別委員会に付託された下記事件につき、審査の結果を次の通り報告します。

 1.審査を付託された事件

    議第2号 平成22年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)

    議第3号 平成22年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第4号)

    議第4号 平成22年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第3号)

    議第5号 平成22年度遊佐町公共下水道事業特別会計補正予算(第4号)

    議第6号 平成22年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第2号)

    議第7号 平成22年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)

    議第8号 平成22年度遊佐町水道事業会計補正予算(第2号)

 2.審査の結果及び意見

    平成22年度遊佐町一般会計補正予算ほか6件の特別会計等補正予算について慎重に審査した結果、いずれも適正なものと認め、原案の通り決定すべきであると意見の一致をみた。

 3.審査の記録

    委員会条例第27条に規定する本特別委員会の記録は、別途整理のうえ提出する。

議 長(橋信幸君)  お諮りいたします。

  ただいま補正予算審査特別委員会委員長報告のとおり、本案を原案のとおり決するに賛成の方は挙手願います。

  (賛成者挙手)

議 長(橋信幸君)  挙手全員です。

  よって、議第2号 平成22年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)、議第3号 平成22年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第4号)、議第4号 平成22年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第3号)、議第5号 平成22年度遊佐町公共下水道事業特別会計補正予算(第4号)、議第6号 平成22年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第2号)、議第7号 平成22年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)、議第8号 平成22年度遊佐町水道事業会計補正予算(第2号)、以上7議案は原案のとおり可決されました。

  次に、日程第3、平成23年度の施政方針に入ります。

  時田町長。

町 長(時田博機君)  それでは、私から平成23年度の施政方針を申し述べさせていただきます。

  第470回遊佐町議会定例会の開催に当たり、町政運営の基本的な考え方を明らかにするとともに、平成23年度の主要な施策並びに予算編成の概要について申し上げます。

  初めに、遊佐町長として3年目を迎えるに当たり、遊佐町新総合発展計画の後期計画6年に施策の大綱を横断的に実施するため、町づくりトッププランの位置づけを行いました。町民が主役、行政が支援する町づくりを目指し、町政推進のキーワードを働き場、若者、にぎわいとし、改めて生き生き遊佐の再構築を目指して町政運営に当たってまいります。

  さて、平成22年を振り返ってみますと、一昨年の日本経済のデフレ公式宣言から、昨年は急速な円高の進行が日本経済全体を包み込みました。いまだに景気は足踏み状態にあり、失業率は依然5%台の高水準が続いております。特に若者の雇用状況が厳しく、そうした傾向は新規学卒者の就職内定率にあらわれています。

  こうした中で、国政においては9月に管内閣が発足し、地域のことは地域に住む住民が決める地域主権を重要な政策の柱に位置づけました。

  地方財政措置としては、地方交付税が前年比1.1兆円増額されました。地方財政の命綱である地方交付税特別会計に対する行政刷新会議の事業仕分けで、交付税制度を抜本的に見直すとの判定が下されました。これからの動向を注視してまいります。

  また、6月の地域主権戦略大綱には補助金等の一括交付金化が盛り込まれ、都道府県が平成23年度、市町村が平成24年度から実施されることになりました。この制度設計に当たっては、地方の自主性を確保するとともに、財政力の弱い自治体への特別な配慮を求めてまいりたいと思います。

  さらには、消費税増税や子ども手当導入に伴う地方負担など、多くの課題が提起されております。中でも環太平洋経済連携協定(TPP)については、農林水産業だけでなく、地域経済や社会に致命的な打撃を与えるおそれがあり、全国町村会や山形県、遊佐町議会とともに反対の姿勢を明らかにするものであります。

  一方、本町においては、新たに過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域の指定を受け、平成22年度からの6カ年の遊佐町過疎地域自立促進計画を策定いたしました。ソフト事業を含む事業費で53億6,000万円、うち充当過疎債は25億円といたしました。また、平成22年4月1日をもって都市計画税の課税を停止いたしました。

  10カ年を目標として策定した遊佐町新総合発展計画後期計画を1年前倒しし、見直しを行いました。さらには、吉出山岩石採取に係る協定締結や地域活性化土地利用懇談会、(通称虎の巻委員会)の開催、行政事務事業評価へ外部委員制度を導入するなど、町民の声に常に耳を傾け、町民の目線に立つ姿勢をもって町政運営に努めてまいりました。

  町づくりでは、第468回遊佐町議会において遊佐町町づくりセンターの設置及び管理に関する条例を可決いただき、その後具体的な各地区町づくりセンターの運営について協議を続けてまいりました。今後は遊佐町町づくり基本条例に沿って、町民と町との協働による町づくりを実践するため、各地区町づくり協議会の運営や地域自治活動の振興に向けて認識の共有と相互理解を深め、具体的な事業計画策定に取り組んでまいります。

  鳥海山を初め、日本海の幸や豊富な湧水など、豊かな自然環境や資源は町民共有のかけがえのない財産であります。映画「おくりびと」に引き続き、「必死剣鳥刺し」と「13人の刺客」が封切られ、鳥海山の美しい背景が映画で配信されました。さらには、大河ドラマ「龍馬伝」に佐藤与之助が登場し、全国の佐藤政養研究家の注目を浴びました。引き続き佐藤政養翁初め、郷土の偉人の顕彰に努めてまいります。

  雇用問題は、若者定住の促進や人口減少を抑止する上で最も重要な課題であります。2年目を迎えた遊佐ビジネスネットワーク協議会では、事業推進員を配置し、ビジネス大使との連絡、調整を密にし、企業誘致や企業支援、雇用の場の確保に向けて情報交換を行いました。また、持家住宅建設資金制度の継続や定住促進住宅建設整備支援金制度の新設、雇用創出対策助成金の大幅な増額など、地域経済の実態に配慮した施策を実行してきました。

  また、高速交通体系の確立は、町の産業活性化にとって大変重要な課題となっています。酒田みなと―遊佐間の進展と山形、秋田県境の整備区間への格上げを目指してまいります。あわせて、羽越線高速化の実現のため、在来線の線形改良をできる限り早期に改修することと冬期間における安定運行を実現するための広域的な要望活動を進めてまいります。

  また、酒田港の重点港湾指定が実現しましたが、これらの活用に向けた取り組みが重要になってきております。さらに、庄内空港における発着枠が3月27日から5月31日までと10月1日から10月29日まで増便され、5便の運行となります。5便が定期運行になるように利用の拡大に取り組んでまいります。

  県内の雇用情勢は依然厳しい状況が続いており、商工業への影響が大きくなっています。地元企業の経済活動を支援するため、企業奨励条例、企業立地促進条例の適用要件の緩和、期間延長等の改正、工場用水使用料支援補助金の新設等々の拡充に取り組んでまいりましたが、さらなる補助制度の充実を図り、地場産業の育成と活性化に努めてまいります。

  地方自治体を取り巻く環境は、少子高齢化や企業の海外移転による経済の閉塞感などといった大きな課題が横たわっています。一方では、中央と地方の経済的格差の拡大や地域力の減退などが顕在化してきています。昨年閣議決定された地域主権戦略大綱や地方一括交付金制度の創設は、地方自治体に対してこれまで以上に知恵と工夫とアイデアを求め、自立的に自らの問題を解決していく自己改革を求めているものと考えております。

  選択と集中による行財政運営、遊佐町町づくり再編プランなど、厳しい町政運営が求められる中で課題を町民と行政が協働の力で解決し、これからも住み続けたい、そして新たに住んでみたいと思えるような魅力ある町をつくるために、平成23年度の町政運営に取り組んでまいります。

  1、いきいきゆざトッププランから、(1)、働く人の笑顔が見える町づくりについて申し上げます。

  地域経済を活性化し、働く人の笑顔が見える町にするために、町民所得の向上と雇用の確保、農商工連携を進め、働き場づくり、にぎわいの創出に向けて施策を展開してまいります。具体的には、企業奨励条例、企業立地促進条例、過疎地域固定資産税課税免除条例などによる企業支援を進め、働き場の拡大に努めてまいります。

  また、地域産業の活性化のため、日本海沿岸東北自動車道、羽越本線新幹線直通高速化等の高速交通体系整備促進のため、広域的な要望活動に取り組み、企業誘致、交流人口の拡大を目指してまいります。

  さらに、町内の起業支援、地域資源の活用による新規分野参入を促進するため、遊佐町創業支援センターの機能を充実し、農商工連携による元気のある地域づくりを推進してまいります。

  農業面では、地域農業の活性化を図るために、JA庄内みどりとともに、安全、安心の農産物生産を進め、消費者と結びついた販売戦略を推進してまいります。あわせて、農林水産業における特産品の加工開発及び付加価値の高い商品販売を支援してまいります。

  観光面では、鳥海山観光のメッカとしての遊佐を確立するため、多様な観光施設の整備、滞在型観光受け入れ態勢の構築を進め、にぎわいの創出を図ってまいります。

  次に、(2)、社会基盤の整備で安全、安心の町づくりについて申し上げます。公共交通システムの改善を進めるとともに、生活道路、快適な住環境、上下水道などの生活関連社会基盤の着実な整備で、快適で安全、安心な町づくりを推進します。具体的には、便利なJRダイヤの実現に取り組むとともに、町営バス、デマンドタクシー等の便利で安定的な運用による地域内交通システムの確立を図ってまいります。

  また、老朽化橋梁の改築を含む橋梁の整備に着手し、あわせて町道の整備、防雪さくや歩道設置などの安全対策を進めてまいります。

  水道事業では、簡易水道事業の統合を促進し、上水道施設の適切な維持管理により、安全でおいしい水の安定的な供給に努めるとともに、下水道の整備、加入促進に努めてまいります。

  また、防災行政無線等の防災施設設備や防災ハザードマップの整備、酒田地区広域行政組合の施設等の充実、自主防災会の活性化など、防災体制の計画的な整備に努めてまいります。

  (3)、子どもから若者、高齢者まで暮らしやすい町づくりについて申し上げます。町民一人一人のきずなを強め、共助の心をはぐくみ、将来にわたって安心して暮らせる地域社会を構築するために、生活基盤の整備、若者定住の促進、子育て支援の充実、自然と共生する町づくりを推進してまいります。具体的には、若者住宅建設整備支援等の定住対策を推進し、地域おこし協力隊やUJIターンなど、若者定住施策を促進してまいります。

  また、幼稚園預かり保育支援事業の実施や放課後児童クラブに対する支援、子育て支援医療制度の充実など、子育て支援サービスの充実に努め、安心して子どもを産み育てることのできる町づくりを進めてまいります。

  高齢者福祉では、介護保険事業、介護基盤緊急整備事業、高齢者(心身障害者)福祉タクシー利用助成等安心できる福祉サービスの充実を図り、お年寄りや障害者などにとって暮らしやすい町づくりを進めてまいります。

  あわせて、若年者等の検診事業、子宮頸がんワクチン等の予防接種事業、母子保健事業などの健康づくりを推進し、健康な生活のできる町づくりを目指してまいります。

  環境保全では、環境や景観に配慮した土地利用、自然と共生する生活環境の維持、新エネルギーによる環境負荷の低減など、循環型社会の推進に努め、自然と共生する町づくりを目指してまいります。

  (4)、町民が主役、行政が支援する町づくりについて申し上げます。町民が主役となる行政システムを構築し、町民の声を着実に反映する行政運営を推進するために、地域内自治活動の支援、民間の力の活用、行政情報公開の一層の推進を図り、行政が支援する町づくりを進めてまいります。具体的には、協働による町づくりのため、地区町づくり協議会の支援や地区町づくりセンターの改築事業に取り組み、地域内自治活動の活性化に努めてまいります。

  また、情報公開のさらなる促進と、広報、広聴の充実により、町民の意見を反映した計画の策定に努め、総合的、計画的な行政運営を推進してまいります。

  行政事務事業評価では、外部評価を組み込んだ評価のさらなる改善と評価が施策に反映する仕組みを整備し、町民に開かれた行政運営を進めてまいります。

  教育では、小学校適正規模の検討に着手するとともに、生涯学習により町づくりを推進し、社会教育、芸術文化、生涯スポーツの振興、特別支援教育等の充実、生涯学習、スポーツ施設及び学校教育施設設備の整備を進めてまいります。

  町は、昨年過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域の指定を受け、新総合発展計画後期計画の策定にあわせ、過疎対策事業債の活用や国の補助率かさ上げ等の制度のもとで、新たに遊佐町過疎地域自立促進計画を策定いたしました。今後はこの計画に沿って産業基盤の整備と企業誘致、農林漁業経営の近代化、既存企業の育成と雇用の開発、社会基盤の着実な整備、さらには生活環境の整備と高齢者福祉の分野等で総合的かつ計画的に対策を講じてまいります。

  次に、2、平成23年度当初予算の編成について申し上げます。我が国経済は、依然として出口の見えない深刻な状況が続いています。厳しい経済状況や雇用情勢に対応するため、政府は円高、デフレ対策のための緊急総合経済対策として雇用創出や地域活性化のための補正予算に取り組みました。本町としても国の施策等を積極的に活用し、町独自の地域経済活性化対策を実施してまいりました。

  さて、本町の平成23年度当初予算編成に当たり、歳入においては景気悪化による税収等の減や国の地方財政対策を視野に入れ、歳出においては雇用の確保と創出、子育て支援、町内経済の活性化等を図るため、遊佐町新総合発展計画第5期実施計画に基づき、年間予算を原則とする予算編成を進めてきました。

  一般会計の当初予算は65億8,600万円、前年度対比3億8,600万円、6.2%の伸びとなりました。

  歳入における町税は、今般の経済不況に加え、団塊層の退職により町民所得が大幅に減少すると予想され、個人町民税で前年度対比7.3%の減を見込み、3億7,900万円を計上しています。法人町民税については、前年度とほぼ同額の4,705万円を計上いたしました。

  また、固定資産税については、引き続き路線価区域内宅地単価が下落している一方で、企業の新たな設備投資による償却資産の増が見込まれ、700万円を増額するものの、町税総額では11億50万円となり、前年対比2.1%の減額と見込んでいます。

  地方交付税については、地方財政計画でその総額が2.8%増とされており、前年度対比4.3%増の29億円を見込んでいます。町債では、臨時財政対策債で前年度対比16.7%減の2億5,000万円を見込む一方、過疎債等財政措置の有利な地方債の活用とふるさと融資による転貸債の増で、総額は前年度対比47.3%増の8億5,210万円を見込んでいます。

  また、年間予算を確保し、年度当初から計画的に事業執行が図られるように、義務教育施設整備基金や観光施設整備基金、財政調整基金等を活用し、予算編成を行いました。

  一方、歳出では、観光施設整備を計画的に実施するとともに、過疎債を活用した産直施設の整備やスポーツ施設の改修、社会資本整備総合交付金事業等の投資的事業を積極的に計上しました。

  また、児童、障害者、高齢者の各医療給付や子ども手当の支給など、町民生活を支援するソフト事業にも配慮しております。さらに、雇用対策としてのふるさと雇用対策事業と緊急雇用対策事業を引き続き実施し、住宅リフォーム制度や持家住宅・定住促進住宅建設支援金事業の継続、新たに地域おこし協力隊推進事業などを行うことにより、地域経済の活性化に努めてまいります。

  町税等の歳入不足が懸念される中、選択と集中を基本に無駄を極力省き、事業の重点化と人件費や物件費、補助費等一般行政経費の一層の縮減を図りながら、将来を見据えた持続可能な財政運営を目指し、健全化に努めてまいります。

  なお、予算の詳細は審議の過程で説明を申し上げます。

  次に、3、施策の大綱について。(1)、鳥海の四季と人々がつづる町づくりについて申し上げます。観光戦略会議のアクションプランに沿って、鳥海山の秀麗な山容、高山植物群、湧水と自然生態系などの魅力をさらに効果的に発信してまいります。特に映画「おくりびと」ロケ地として海外に発信されたことから、昨年からことしにかけ400名を超える韓国からの観光客が鳥海山を訪れています。豊富な高山植物の宝庫として日本百名山にも名を連ねる鳥海山の魅力あるポテンシャルの一層の顕在化に努めてまいります。

  ことしからは、環鳥海全域を株式会社モンベルのフレンドエリアに登録することになっております。あわせて、民間団体がシーツーサミットという環境を重視した新たなアウトドアイベントに取り組むことになっております。町では、関係団体と協力しながら、インストラクターやガイドの育成に努めてきておりますが、引き続き鳥海山高山植物観察山行や二ノ滝氷柱探勝会など、四季を通した観光企画に取り組んでまいります。あわせて、鳥海山を核とする着地型観光商品の開発支援に力を注いでまいります。

  また、鳥海温泉の温泉熱を活用したさまざまな新エネルギーへの転換と、それらを活用する具体的な方策について研究を始めたいと考えております。

  鳥海山及び里山の自然保護と登山客の安全確保に向け、登山道及び標識の山形、秋田両県の統一整備など、県に対する要望を引き続き行うとともに、整備に取り組んでまいります。

  また、鳥海山の豊かな自然を次の世代に残していくため、課題となっている岩石採取などの開発行為について昨年から大学共同利用機関法人、総合地球環境学研究所に湧水の調査研究委託を行っております。水道水源や農業用水源となっている湧水、地下水への影響調査を23年度も継続してまいります。鳥海山の自然環境を保全していくために必要な条例整備の研究を行うため、庁内に鳥海山環境保全条例研究会を立ち上げております。東北公益文科大学の内藤悟先生からのご指導をいただき、総合地球環境学研究所の調査結果とあわせ研究を進めてまいります。

  さらに、昨年度策定した遊佐町山砂採取と砂丘地クロマツ林、農地の保全についての基準を生かして、骨材採取と農業、地域環境とのバランスのとれた施策の展開を図ります。

  緑豊かな里山や森林資源の保全について申し上げます。先人が残した大いなる遺産である町木のクロマツ林を後世へと守り育てていくために、松くい虫被害木の伐倒処理や薬剤散布等による被害の防止に取り組んでまいります。国、県、町の重層的な対策により、ここ数年被害が減少しておりますが、手を緩めることなく防除事業や2次被害木伐倒処理に取り組んでまいります。

  一方、計画的な森づくりのため、森林整備促進事業による町有林、財産区有林等の間伐事業を推進するとともに、民有林間伐事業等の新たな補助事業の導入などにより、CO削減のための施策に取り組んでまいります。

  また、12月第1日曜日に設定している遊佐町森林ボランティアの日への参加を一層広範囲なものにして森林の保全活動を続けてまいります。

  ナラ枯れ被害が県内に拡大しておりますが、当町においてもカシノナガキクイムシを誘引するフェロモン防除や三崎公園及び高瀬峡を特定ナラ林区域に設定するなど、これまで実施してきた樹幹注入などによる防除とあわせて国及び県に対しての要請をしてまいります。

  一般的な樹木に被害を与えるカツラマルカイガラムシによる被害対策と一昨年から被害が出ているウエツキブナハムシの動態調査を実施してまいります。

  環境の総合的な保全について申し上げます。鳥海山の自然豊かな恵みを受けている我が町は、森林による地下水の涵養により肥沃な水田が構成され、上水道についてはミネラル豊富な地下水で100%賄われております。このような自然環境を後世に引き継ぐことが私たちに課せられた責務と考えております。地下水の保全や動植物の保護については、他の自治体や研究者と連携しながら、遊佐町環境基本条例に基づき環境保全に取り組んでまいります。

  次に、(2)、安全、安心で潤いとやすらぎのある町づくりについて申し上げます。暮らしを支える清らかな水環境づくりでは、水道事業においては安全で安心な水道水の供給を基本として施設の維持管理を行うとともに、平成30年度を計画目標とする水道ビジョンに基づき、効率のよい事業運営に努めてまいります。

  上水道については、安定した事業運営に欠かせない施設の維持管理を行うために、老朽化している大楯浄水場の電気計装装置と取水ポンプの更新を実施いたします。

  老朽管更新事業については、公共下水道整備区域に残っている管網について下水道事業と並行して実施いたします。

  簡易水道は、吹浦簡易水道と箕輪簡易水道を統合する事業を主体に、吹浦浄水場内に着水槽の新設と電気計装装置の更新を実施いたします。白井簡易水道区域の老朽管更新事業は、蚕桑地内の管網について継続して実施いたします。

  下水道事業においては、丸子、畑地区での特定環境保全公共下水道事業整備を予定しており、快適な生活環境づくりに向けて計画的な整備を行ってまいります。

  下水道事業の健全な経営基盤の確立に向けて、町民の皆様のご理解をいただきながら、下水道加入率を高めるため積極的に加入推進事業を展開するとともに、公債費の適正な管理など経営健全化に努めてまいります。

  安全で便利な交通ネットワーク化について申し上げます。ゆざ元町地域交流センターを拠点とした本町の公共交通ネットワークについては、さらに利便性を高めるための検討を行ってまいります。町営バスとデマンドタクシーについては、町民が利用しやすく、効率性の高い交通システムの構築を目指してまいります。

  また、ゆざ元町地域交流センターの入居者を中心とした組織であるゆざっとプラザ協議会で実施している軽トラ市や歳の市、イルミネーション設置など、にぎわい再生の取り組みに引き続き支援を行ってまいります。

  道路、橋梁の整備促進について申し上げます。社会資本整備総合交付金事業を導入して、国道345号から本町中心部への進入路の新設や町立遊佐中学校までの歩道と防雪さくの設置事業を継続して実施いたします。

  町道の施設維持管理については、町道下当―下大内線(スーパー農道)の舗装の改修事業を初め、老朽化した舗装の補修、道路側溝の整備を計画的に進めてまいります。

  また、橋梁については、金杉橋の改修事業を継続して実施するとともに、橋梁長寿命化修繕計画策定に向けた調査を昨年から引き続いて実施いたします。

  なお、橋梁の改修工事については、調査結果を踏まえ改修計画を策定し、交通量等を考慮し、順次改修事業を進めてまいります。

  平成21年度事業着手しました日本海沿岸東北自動車道酒田みなと―遊佐間については、早期開通に向け、関係機関と調整を図りながら、取り組んでまいります。

  緑豊かで調和のとれた居住環境づくりについて申し上げます。元町地域を中心とする本町市街地のあり方と開発計画については、定住施策を中心として若者の意見を取り入れた町づくりの指針を作成するため、庁内にプロジェクトチームを設立し、町民の意見集約に努めてまいります。

  本庁の中心部に整備した都市計画道路や都市計画公園に隣接する区域に環境にすぐれた居住地区を形成するため、地権者や民間開発業者と行政が情報交換や協議を行い、整備に向けて積極的に推進してまいります。

  また、人口の定住促進のため、持家住宅建設支援金事業や住宅リフォーム資金特別融資制度、若者が住宅建設を進めやすくするための定住促進住宅の建設への支援事業を継続して実施いたします。

  町営住宅については、遊佐団地の給排水施設の更新を実施いたします。

  青葉台団地にある大阪有機化学工業株式会社の社宅用地に社会貢献事業の一環として産直施設を建設し、地域の皆様に活用していただきたいとの提案がありました。町としても駐車場の一部とトイレを整備し協力することにより、官民一体となって地域の魅力ある発展に努めてまいりたいと考えております。

  町並み景観づくりの推進について申し上げます。平成17年度から21年度まで、ゆざ元町地区のにぎわいの再生をテーマにした町づくり交付金事業に取り組み、ゆざっとプラザを初めとして、社会基盤としての防災センター、遊佐まちめぐりパーク、都市街路、中央公園などのハード事業とだがし屋「ぽん」や軽トラック市などのにぎわい再生事業や調査を行ってきました。今後の大きな課題である地区町づくりセンターの改築などのハード事業に取り組むため、小学校の適正規模の検討経過を踏まえて、社会基盤としてのインフラ整備計画を進めてまいります。そのため、町全体を網羅した新たな都市再生整備計画の策定に取り組んでまいります。

  安心して暮らせる町づくりについて申し上げます。消防団組織のあり方については、団員の減少や日中出動ができない団員の増加が問題となっており、班の再編成やOB団員の活用を含め検討してまいります。

  町職員を対象に庄内総合支庁との合同の大規模災害を想定した状況付与型図上訓練の実施や初動期の職員行動マニュアルの見直しを行ってまいります。

  自主防災組織については、災害時要援護者名簿の作成を含め、研修会等を実施し、育成に努めてまいります。

  また、消防力を維持するため、消防ポンプ自動車や小型動力ポンプの更新、小型動力ポンプつき積載車の導入、防災資機材の更新、さらには防火水槽及び防災行政無線拡声装置の整備を引き続き実施してまいります。

  酒田地区広域行政組合消防本部遊佐分署の耐震診断結果を踏まえ、適切な建設候補地の選定を含め、防災行政無線設備のデジタル化への対応とあわせて整備方針の検討に着手してまいります。

  次に、(3)、多彩で元気の出る産業をはぐくむ町づくりについて申し上げます。国は、平成23年度に農業者戸別所得補償制度を本格実施させることになりました。この政策は、昨年度同様米の生産数量目標に即した生産を行った販売農家と集落営農に対し、10アール当たり1万5,000円の所得補償を直接支払いにより実施するものです。これに加え、小麦、大豆、てんさい、デンプン原料用バレイショを対象作物とした畑作物の所得補償も始まることになりました。

  また、水田活用の所得補償交付金では、農業の自給力の向上を図るため、水田を有効活用して麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の戦略作物の生産を行う販売農家に10アール当たり8万円から2万円の交付金を支給するものです。

  このような農政の大転換に関する施策の実施については、JAや関係機関と十分な協議を行い、町としての施策を展開していく必要があると考えております。

  我が町では、これまでも高品質で安全、安心のトレーサビリティーに基づいた農産物販売に努めてきました。昨年度は遊佐中央カントリーエレベーターが完成し、DAG自然乾燥システムとソーラー発電を併用したエコカントリーとして一層高品質でおいしい遊佐米の生産が実現しました。生産者と消費者の良好な関係をさらに発展させていくことができるものと期待しております。

  農地・水・環境保全向上対策事業は、農地や農村環境を保つために取り組んできましたが、営農活動支援は農地・水・環境保全向上対策から切り離され、環境保全型農業直接支援対策に組み込まれることになりますが、本年度限定で継続される先進的営農活動支援とあわせて町としても支援を継続してまいります。

  中山間地域等直接支払制度は、昨年度第3期対策として対象地域を拡大し、新たな計画を策定したところであり、国、県とあわせて支援を継続してまいりたいと考えております。

  園芸、畜産の振興について申し上げます。安全でおいしい農産物の産地づくりを目指し、パプリカや花卉等の園芸作物の振興を図るとともに、畜産を含めた複合経営と地域内循環を目指す環境保全型農業を一層推進してまいります。そのため、町の産地化推進作物の見直しを含め、町の振興作物への支援に努めてまいります。

  地産地消、地元農林水産物のPRのため、町内外から多くの誘客を見込める鳥海ツーデーマーチにあわせて農林水産祭りを開催するとともに、販売拡大のため、生活クラブ生協と連携した遊佐産フェアを内容を充実して取り組んでまいります。

  また、青年農業後継者、農村女性等の担い手育成のため、パプリカ栽培の海外研修支援に引き続き取り組んでまいります。

  さらに、畜産では遊佐町家畜貸付基金による繁殖牛飼育者の支援に取り組んでまいります。

  農産加工の推進について申し上げます。農産加工については、玄米おこし、かきモチ、干しガキ、エゴマ油、金俣そば、あかり味噌、天然サケの昆布巻やタコ飯のもと等に加えて、彦太郎糯、特産パプリカを使ったパプリカドレッシング、しょうゆのみなどの加工がスタートしています。昨年話題を呼んだ本格芋しょうちゅう「耕作くん」の生産と販売の拡大に取り組んでまいります。

  また、昨年から取り組んでいる遊佐カレープロジェクトやゆざんめごっつぉプロジェクトから、米粉ベーグルや肉もちレトルトなど、新たな特産品の試作が始まっています。こうした取り組みを支援しながら、生活クラブ生協との取引に発展できるような特産品へと育てることを目指してまいります。

  昨年認可を受けた地域雇用創造推進事業(新パッケージ事業)を積極的に活用しながら、農産加工品や特産品の開発、遊佐の市の拡充、インバウンド観光の支援に取り組み、総合的な雇用開発へつなげていけるように取り組んでまいります。

  地域資源である安全でおいしい農産物に付加価値をつけ、高品位な販売を目指す農産加工は、加工のアイデア、技術、保存、保管、流通、販売先の確保など、取り組まなければならない課題が多くあります。生産者である農業者とさまざまなノウハウを持つ企業、JA、NPOなどとのネットワークの中で、地域資源を生かした新たな農産加工を目指してまいります。

  あわせて、農地法の改正に伴う企業の農業参入については、基本的に町内外の農商工連携で対応し、農業の育成支援とネットワークの構築、新たな地域特産物等の開発に取り組んでいきたいと考えております。

  水産、林業の振興について申し上げます。吹浦漁港のサンドポケット及び月光川河口域のしゅんせつについては、航路の確保や河口域の砂の堆積による高波被害、サケの稚魚の捕食被害が考えられることから、県に事業拡大についての要望をしてまいります。

  また、藻場の再生事業に取り組む一方、引き続きヒラメ稚魚、アワビの放流事業に取り組んでまいります。

  内水面漁業では、イワナの稚魚放流事業への補助及び月光川本流におけるサケの資源調査を引き続き実施し、あわせてサケ資源を活用した加工業の支援に努めてまいります。

  漁港の整備では、地域グリーンニューディール基金事業における女鹿漁港区域内の海岸清掃事業に取り組んでまいります。

  林業の振興では、国及び県の補助事業を有効に活用しながら、間伐や作業道路網の整備による健全な森林の整備とCO削減に努めてまいります。

  国、県、市町村、木材事業者が一体となった協同組合やまがたの木乾燥センターが設立され、森林整備や木材の地産地消の促進とやまがたの木ブランド化に向けた事業を展開してまいります。

  商業、工業の振興について申し上げます。企業誘致では、経済活動の活性化、異業種交流による新たなビジネスの展開を目的に設立した遊佐ビジネスネットワーク協議会の活動を充実させてまいります。首都圏を中心にした遊佐ビジネス大使との連携を密にし、会社訪問や研修会等を行い、企業誘致等に結びつく情報収集に努めてまいります。

  また、山形県、酒田・遊佐工業団地企業誘致促進協議会と連携し、企業誘致や企業による地域資源を活用した新規分野参入支援に積極的に取り組みます。そのため、各種優遇措置を整備し、企業立地と雇用開発に結びつくよう努めてまいります。

  さらに、庄内地域雇用対策連絡会議、酒田地区雇用対策協議会、ハローワーク酒田と連携し、UIJターン希望者や学生を対象に庄内就職ガイダンス、ワークチャンス酒田就職面接会等を開催してまいります。これからも求職者の就業促進、中小企業支援情報の提供等、町民生活の安定と地元企業への支援を積極的に展開してまいります。

  また、商業支援については、現在商工会で検討している起業家支援補助金、空き店舗入居者支援助成金等の商業振興策を支援してまいります。

  観光の振興について申し上げます。遊佐町観光基本計画のアクションプログラム推進について、遊佐町観光戦略会議で昨年に引き続き協議、検討を行ってまいりました。間もなくアクションプログラムの成果が完成し、関係団体で事業に取り組んでまいります。

  遊佐町の観光を担うキーパーソンや団体の役割分担など、引き続き検討課題はありますが、それぞれの立場で取り組みを強化してまいります。中期的な課題として、日本海沿岸東北自動車道の延伸に伴う道の駅鳥海ふらっとや鳥海温泉郷など、本町観光の中核的な施設のあり方や鳥海山総合展示施設の基本的な構想の検討に着手することとします。

  ことしは、酒田―秋田間でJR東日本の「リゾート鳥海」の運行が予定され、新潟から青森までのジョイフルトレインによる乗り継ぎができることになります。この鳥海山の名称を冠にした列車を生かした広域観光の取り組みを積極的に行ってまいります。

  また、日本海沿岸東北自動車道の無料化実験の先行きが不透明ではありますが、山形、秋田県際間連携推進協議会や鳥海国定公園開発推進協議会などのスキームを積極的に生かして、引き続き観光客の誘致に活用していきたいと考えております。

  次に、映画「おくりびと」に代表されるフィルムコミッションの活動支援やテレビ番組の撮影協力については、その宣伝効果が大きいことから、町としても積極的に対応をしてまいります。

  インバウンド観光の促進については、韓国からの鳥海山トレッキング市場の拡大が見込まれています。引き続き山形県ソウル事務所や韓国の山岳旅行エージェントと連携しながら、誘客に取り組んでまいります。

  また、観光施設整備については、遊楽里、西浜コテージ等の屋根のふきかえや大平山荘の内装整備など計画的な整備に当たる一方、鳥海山山頂トイレを初めとする山岳トイレの管理に当たっては、コストの低減を含む維持管理に努めてまいります。

  遊佐町観光開発公社について申し上げます。平成20年12月1日から新しい公益法人制度が施行され、施行から5年以内に遊佐町観光開発公社が新公益法人の認定を受けるかあるいは一般法人に移行するかについて公社理事会及び観光戦略会議で議論を重ねてきました。これまでの中間的な取りまとめでは、新公益法人への移行には公益的事業比率という大きな課題があり、この課題をクリアすることは事実上不可能との結論となっております。今後は公社理事会等での検討を行い、公益法人以外の法人化か解散という選択肢の中で調整を図っていくこととしています。

  しかし、現在四季の森しらい自然館などの指定管理を含め4つの施設と遊佐町デマンドタクシー事業の運営委託を行っており、これらの業務は引き続き維持される必要があることから、他の機関に移譲する方向で検討を進めてまいります。

  労働環境の充実について申し上げます。勤労者の支援については、勤労者生活安定資金貸付金や勤労者信用保証対策貸付金制度等の一層の充実に努めてまいります。

  また、月1回実施していますハローワーク酒田との定期協議や酒田地区雇用対策協議会で年2回程度実施する就職面接会、さらに遊佐高校を中心とする高校生の就職支援に取り組み、雇用の改善に努めてまいります。雇用環境の厳しさが依然続いていることから、3カ年で終了予定のふるさと雇用、緊急雇用の継続を国と県に働きかけるとともに、町単独の雇用施策もあわせて地域雇用の改善に努めてまいります。

  消費者の保護の推進について申し上げます。多重債務等の消費者トラブルに加え、振り込め詐欺のトラブルも頻発し、町の消費者相談窓口への相談内容は悪質化、複雑化しております。庄内消費者センターからの適切な助言や情報提供を得るとともに、町としても被害者相談の取り組みや高齢者を対象にした出前講座、消費者の会との連携による研修会等を開催し、消費者トラブルの未然防止と問題解決を図ってまいります。

  次に、(4)、明るい笑顔に満ちた心触れ合う支え合いの町づくりについて申し上げます。住みなれた地域で安心して健やかに暮らしていくことはだれもが願うことであります。このため、遊佐町地域福祉計画に基づき、福祉に対する町民の意識の高揚と高齢者福祉を初めとする地域福祉の推進を引き続き図ってまいります。

  また、地域福祉の中心的役割を担う社会福祉協議会と各種福祉団体や民生児童委員活動の支援を行いながら、町民、団体、行政が一体となった地域福祉活動を展開する体制の整備に努めてまいります。

  高齢者福祉の推進について申し上げます。高齢者が健康で自立した生活を送るために、参加者がふえているはつらつ貯筋講座を初めとした高齢者体力アップ事業など、地域ぐるみで行う健康づくり運動を今後も計画的に推進してまいります。

  また、要介護、要支援認定者の増加傾向に対し、特に要支援状態とならないために2次予防事業の対象者把握やいきいき教室、ゆったり健康サロン事業などの介護予防事業を充実するとともに、地域包括支援センターによる高齢者の総合的相談業務の強化を図ってまいります。

  さらに、介護サービスにおいては、遊佐町地域ケア会議の開催により、各事業所間との情報交換を密にするとともに、町内外の医療機関との情報共有により、医療と福祉の連携を向上させ、在宅介護の一層の充実を図ってまいります。

  第5期介護保険事業計画については、国の動向を把握しながら、介護ニーズ調査の分析作業を行い、入所待機者、施設数と入所者、在宅介護、介護保険料等の課題について地区説明会を実施し、町民や議会の皆様のご意見を賜りつつ計画策定作業を進めてまいります。

  障害者(児)福祉の推進について申し上げます。障害者自立支援法及び障害者計画、障害福祉計画に基づき、障害のある方々が安心して自立した生活を営めるよう自立支援システムの構築を目指していくとともに、酒田市と共同で委託している相談支援事業所、サポートセンターあおぞらと連携を図り、生活支援を充実いたします。

  また、平成23年4月の酒田特別支援学校の開校に合わせ、同校に通う児童が放課後に鳥海学園を初めとする日中一時支援事業所を利用する際に、学校から事業所まで支障なく移動できるよう支援をしてまいります。

  なお、制度の見直しについては、介護保険制度と同様に的確な対応を講じてまいります。

  未来をはぐくむ児童福祉の推進について申し上げます。安心して産み育てられる町づくりを推進することが町民の福祉向上に結びつき、少子化対策につながることと考えております。この観点に立ち、妊婦健診に際しての助成を継続し、母子の良好な健康保持に努めてまいります。

  また、同様に子育て支援医療給付においても、引き続き小学校3年生まで、入院は6年生までを対象とし、保護者負担の軽減に努め、子育て環境の向上を図ります。

  一方、保育園事業においては、健康で明るい子供、心豊かな子供、自分のことは自分でできる子供、心の触れ合いを通していたわりの心を持つ子供の4つの目標を掲げ、保護者や地域と連携を図り、その充実に努めてまいります。

  施設の環境条件の向上を図るため、平成23年度は未整備となっている保育室の空調を整備し、快適な保育環境を構築してまいります。

  さらに、保育ニーズに合わせた土曜、延長、一時保育や子育て支援センター事業における各園の子育て支援を高めるための移動子育て支援事業についても継続してまいります。

  また、幼稚園が行う預かり保育に対し支援を行うことにより、幼稚園と保育園の費用負担の格差を縮減し、3歳以上の就学前児童について幼稚園への拡大と保育園児童数の適正化を図ってまいります。

  健康づくりの推進について申し上げます。健康は、豊かな生活基盤の土台をなすものであり、生涯を通して心身ともに健康で生き生きとした人生を送りたいということはすべての町民の願いでもあります。

  (新)健康ゆざ21(仮称)計画やすこやか親子ゆざ21計画、特定検診等実施計画に基づき、健康は守るものから自分でつくるものという意識づくりを推進してまいります。具体的には、食生活や運動等の望ましい生活習慣の確立による1次予防に重点を置いた地域ぐるみの健康づくりの推進や生活習慣病の予防、早期発見、早期治療を推進するため若年者健診(わかば健診)を継続するとともに、特定健康診査、特定保健指導、各種がん検診などの保健事業を充実し、健診率の向上に努めてまいります。

  また、母子保健関係では、少子高齢社会が進行する中、安心して子供を産み育てていくために、妊婦健康診査の14回公費負担の継続と内容の充実を図るとともに、歯科検診を含めたきめ細やかな健診体制のもと、情報提供や相談の機会をふやし、育児に対する不安の解消に努めるなど、事業の充実を図ってまいります。

  さらに、疾病罹患や重症化を防ぐため、子宮頸がん予防(HPV)ワクチン、インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種を実施してまいります。

  国民健康保険等について申し上げます。平成23年度から保険者と国保連合会間をオンライン化する、国保総合システム(レセプト審査支払等最適化システム)の開始が予定されています。これまでの紙ベースから端末による点検処理システムに切りかわることにより、効率化と医療費適正化を図ってまいります。

  一方、本町における国保財政については、国保世帯数及び被保険者数は逓減しているのに対し、一般、高額を合わせた医療費給付費は逓増し続けています。この間、保険者としての努力で平成19年度から国民健康保険税については据え置いてきましたが、平成23年度は見直さざるを得ない状況にあると認識しています。

  今後とも医療費の低減を図りながら、国民健康保険制度の運営のための保険財政の安定化や平成26年3月に予定される後期高齢者医療制度の見直しと国保の都道府県単位化による広域化等支援方針を視野に入れた適正運営に努めてまいります。

  次に、(5)、ふるさとを愛し、豊かな心を育てる人材の育成について申し上げます。4年前に教育基本法を初めとする教育3法が改正され、教育改革が進行しています。本町でも町づくり協議会の体制が整い、来年度から町づくりセンターを拠点に、生涯学習の理念に基づき、地区の特性を生かした協働による町づくりが本格的に始まります。これらを機に、本町の教育がこれまで培ってきた成果と課題を整理し、ふるさとを愛し、豊かな心を育てる人材の育成の一層の充実に向け、10年間を見通した遊佐町教育振興基本計画を策定いたします。

  命輝く子供の育成に努めます。地域の教育力に支えられた元気で特色ある学校づくりを基盤に、学力向上、生徒指導の充実、特別支援教育の推進等を柱に、子供たちの学びの充実と自立を目指し、豊かな心と健やかな体の育成に努めます。そのために教職員の資質向上、家庭、幼稚園、保育園、学校、地域の連携を一層重視してまいります。

  小学校の校舎等の教育環境の整備が進んでいます。今後は外構(校地の外周り)の整備を計画的に進めます。間もなく建築20年を迎える中学校についても、バリアフリーを視野に入れながら、計画的に校舎の改修や改良を進めます。スクールバスの更新も順次行ってまいります。

  少子化の波が急激に押し寄せています。今後の入学予定児童数を踏まえ、複式学級の解消を視野に入れた小学校の学校規模適正化を検討し、地域の合意を得ながら、学区の適正配置を進めてまいります。

  地域に根差した豊かな学びを進めます。急速な科学技術の進歩と情報化社会、高齢化と少子化の進行等急激な社会状況の変化の中、一人一人がみずから進んでテーマを選び、自分に合った方法で豊かさや新たな価値観を求めるため、いつでも、だれでも、どこでも学習できる生涯学習の充実はますます重要になっています。生涯学習センターの機能を生かし、関係機関や団体の支援と連携を深め、町づくりリーダー育成等によって生涯学習の町づくり推進体制を整備し、地域町づくりによる生涯学習活動を支援してまいります。

  うるおいに満ちた芸術、文化活動の創造に努めます。暮らしの中の書画や音楽、文学、演劇、舞踊などの芸術文化活動は、生活に潤いを与え、人生を豊かにし、地域づくりの原動力になっています。平成23年度は、遊佐町芸術文化協会発足40周年に当たります。記念誌発行等の支援を含め、一層の充実を期してまいります。

  さらに、町づくり協議会、民俗芸能保存協議会、小中高等学校や関係団体等と一緒になって芸術文化事業を進め、町民の学習活動の成果発表の機会提供に努めてまいります。

  文化財の保存と活用について申し上げます。国指定史跡鳥海山については、史跡保存計画が今年度中に策定されます。秋田県側との連携を図りながら、計画に基づいて保存と活用の充実を図ってまいります。

  小山崎遺跡の保存、活用については、これまで16次にわたる発掘の結果をまとめる報告書の作成に向けて3回にわたって大学教授等の有識者から成る小山崎遺跡調査指導委員会を開催して整理に努めてきました。国指定遺跡への申請に向けて、来年度も補充調査等も視野に入れながら、報告書の作成に努めてまいります。

  健康ではつらつとした生涯スポーツの振興に努めます。子供たちの基礎的運動能力の向上をスタートに、高齢者まで元気にはつらつと取り組める生涯スポーツの進行を目指してまいります。そのために、スポーツ施設の整備、会報等の活用、リーダー育成を推進してまいります。

  2年後に節目の20回目を迎える奥の細道鳥海ツーデーマーチは、これまでの成果の上に立って国内、国外問わず幅広く参加できるよう工夫をして開催してまいります。

  生涯学習基本計画の見直しについて。教育振興基本計画策定、町づくり協議会体制への完全移行等、生涯学習を取り巻く情勢や町民の意識の変化に対応するため、生涯学習基本計画の改定を踏まえて、今後は町長部局各課と教育委員会が一体となって地域活動を支援してまいります。

  次に、(6)、自主性に富み、ともに生きる町民主役の町づくりについて申し上げます。町づくり推進体制と地区公民館体制改革について過去2年間にわたりそれぞれの立場で議論を深めていただき、去る12月議会で遊佐町町づくりセンターの設置及び管理に関する条例を可決いただきました。

  平成23年度から新しく町づくりセンターを活動拠点とする地区町づくり協議会の活動が始まり、町づくり協議会長が中心となって事業を推進することになります。

  町は、町づくり基本条例に沿って地域課題を町民との協働による手法で解決していく主体となる町づくり協議会が自主的に活動を展開していくために最大限の支援を行うこととしております。

  具体的には、町づくりセンターの設置や整備、地域活動交付金の交付、活動のための技術的支援を充実させてまいります。このほかにも町づくり町民提案制度や地域の各種団体等の自主的、自発的な活動を支援するため、遊佐きらきらマイタウン事業を引き続き実施してまいります。

  次代を担う青少年の町づくりについて申し上げます。少年町長、少年議員公選事業は第9期を迎え、これまでの成果を引き継ぐとともに、継続性のある組織づくりに向けて取り組んでまいります。このことにより、中高校生ボランティアや成人式実行委員会などの青年グループの活動がさらに強化され、若者による町づくりが充実していくものと考えております。

  また、庄内3町の共同の取り組みとなる輝く若者応援プロジェクトが東北公益文科大学の支援を受けスタートすることになりました。庄内全域に仲間づくりの輪を広げ、地域社会に積極的に参加する青少年を新たに育てる取り組みを行ってまいります。

  国際交流及び国際理解事業の展開について申し上げます。昨年9月、ソルノク市立公共楽団一行65名が来町し、生涯学習センターでコンサートを開催いたしました。4年前からソルノク市音楽監督に就任した井崎正浩さんの計らいにより、2年連続での訪問となりました。

  また、10月にはハンガリーと韓国の農業者、研究者、学生15名が遊佐町国際パプリカフォーラムのため来町しました。このフォーラムは、4年前から派遣している若い農業者のパプリカ海外留学生7名やJA遊佐支店、庄内産地研究室、遊佐町創業支援センターを中心とする受入実行委員会が企画したものです。本町の国際交流にとって新たな方向を指し示す取り組みとなりました。

  また、新型インフルエンザの世界的流行のため中断していたハンガリー交流派遣団は、那須教育長を団長として9名派遣することになりました。一方、ことしはハンガリーのプロムジカ女声合唱団の来日が予定されており、姉妹都市盟約に基づく交流をさらに発展させていくことが必要だと考えております。町では、国際交流のあり方についてさらなる改善の検討を進めながら、遊佐町国際交流協会などの活動支援を行い、遊佐町に在住されている在日外国人などへの支援をしてまいります。

  地域間交流の展開について申し上げます。兄弟町である宮城県大崎市鳴子支所、交流都市である東京都豊島区、防災協定を締結しているにかほ市、友好協力宣言を締結している愛知県の日本福祉大学など、きずなとゆかりのある地域との交流を通じて交流人口の拡大、草の根交流の促進をしてまいります。この取り組みの中で、既に定着している遊佐の市やまるっと鳥海東京プレゼンなど、農水産物や特産品の販売チャンネルを広げ、相互の地域課題を解決する取り組みにしてまいりたいと考えております。

  4、結びに。次の世代に責任持ってバトンタッチできる行政を目指して。人々が生き生きと暮らしている町には人を育てる風土があると言われています。地域経済の活性化を図り、暮らすことに夢と希望の持てる町づくりに取り組み、我が町に住む子供から若者、高齢者まで暮らしやすい、そして住む人の笑顔が見える町、生き生き遊佐の再構築を目指すものであります。

  私たちの元気の源が鳥海山であり、ふるさと遊佐であります。課題を先送りすることなく、次の世代にバトンタッチできる町づくりに責任を持って取り組んでまいります。町民が主役の、行政が支援する町づくりに粉骨砕身、全身全霊を傾けてまいる所存であります。

  行政は最大の住民サービスとております。ぶれない信念、素早い決断をモットーに、職員とともに心のこもった行政サービスをすべては町民のためにという奉仕の精神を基本として、現場に足を運び、スピード感を持って取り組んでまいります。

  改めて町民並びに議会議員各位のご理解とご協力、ご支援を賜りますよう衷心からお願いを申し上げ、平成23年度の施政方針といたします。

議 長(橋信幸君)  以上で本日の日程は終了いたしました。

  3月4日午前10時まで散会いたします。

  大変ご苦労さまです。

  (午後3時28分)