議 事 日 程 (第 2 号)

 

平成22年3月3日(水曜日)  午後3時45分 開議(本会議)

 

 日程第 1 ※補正予算審査特別委員会                             

       議第 6号 平成21年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)            

       議第 7号 平成21年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第3号)       

       議第 8号 平成21年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第4号)         

       議第 9号 平成21年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第5号)     

       議第10号 平成21年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)         

       議第11号 平成21年度遊佐町水道事業会計補正予算(第4号)           

 日程第 2 ※補正予算審査結果報告及び採決                          

 日程第 3 ※平成22年度施政方針                              

 

                       ☆

 

                  本日の会議に付した事件

 

(議事日程第2号に同じ)

                       ☆

 

                 出 欠 席 議 員 氏 名

 

応招議員  14名

 

出席議員  14名

     1番   筒  井  義  昭  君      2番     橋  久  一  君

     3番     橋     透  君      4番   赤  塚  英  一  君

     5番   阿  部  満  吉  君      6番   佐  藤  智  則  君

     7番     橋  冠  治  君      8番   土  門  治  明  君

     9番   三  浦  正  良  君     10番   堀     満  弥  君

    11番   阿  部  勝  夫  君     12番   那  須  良  太  君

    13番   伊  藤  マ 子  君     14番     橋  信  幸  君

 

欠席議員   なし

 

                       ☆

 

                 説明のため出席した者職氏名

 

 町長  時  田  博  機  君   副町長  堀  田  堅  志  君

 総務企画課長  本  宮  茂  樹  君   産業振興課長  村  井     仁  君

 地域生活課長  佐  藤  広  一  君   健康福祉課長  東 林  和  夫  君

 町民課長  佐 木  英  一  君   会計管理者  伊  藤     孝  君

 教育委員長  佐  藤  多 子  君   教育長  那  須  栄  一  君

 教育次長  鍬  形  修  一  君   農業委員会会長    橋  良  彰  君

 選挙管理委員会               

          尾  形     克  君      代表監査委員    橋  勤  一  君

 委員長               

 

 

                       ☆

 

                 出

 

  局  長  金 野 周 悦   次  長  本 間 康 弘   書  記  池 田   久

 

 

                       ☆

 

              本        会        議

 

議 長(橋信幸君)  延会前に引き続き本会議を開きます。

  (午後3時45分)

議 長(橋信幸君)  ただいまの議員の出席状況は、全員出席しております。

  なお、説明員は町長以下全員出席しておりますので、ご報告いたします。

  上衣は自由にしてください。

  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。

  日程第2、補正予算審査の結果報告に入ります。

  さきに補正予算審査特別委員会に付託し、審査をお願いしておりました平成21年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)ほか特別会計等補正予算5件について、補正予算審査特別委員会阿部満吉委員長より審査の結果について報告を求めます。

  補正予算審査特別委員会阿部満吉委員長、登壇願います。

補正予算審査特別委員会委員長(阿部満吉君)

                                  平成22年3月3日

  遊  佐  町  議  会

  議 長  橋 信 幸 殿

                               補正予算審査特別委員会

                               委員長  阿  部  満  吉

審 査 結 果 報 告 書

  平成22年3月2日、定例本会議において、本特別委員会に付託された下記事件につき、審査の結果を次の通り報告します。

 1.審査を付託された事件

    議第6号 平成21年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)

    議第7号 平成21年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第3号)

    議第8号 平成21年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第4号)

    議第9号 平成21年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第5号)

    議第10号 平成21年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)

    議第11号 平成21年度遊佐町水道事業会計補正予算(第4号)

 2.審査の結果及び意見

    平成21年度遊佐町一般会計補正予算ほか5件の特別会計等補正予算について慎重に審査した結果、いずれも適正なものと認め、原案の通り決定すべきであると意見の一致をみた。

 3.審査の記録

    委員会条例第27条に規定する本特別委員会の記録は、別途整理のうえ提出する。

  以上です。

議 長(橋信幸君)  お諮りいたします。

  ただいま補正予算審査特別委員会委員長報告のとおり、本案を原案のとおり決するに賛成の方は挙手願います。

  (賛成者挙手)

議 長(橋信幸君)  挙手全員です。

  よって、議第6号 平成21年度遊佐町一般会計補正予算(第10号)、議第7号 平成21年度遊佐町国民健康保険特別会計補正予算(第3号)、議第8号 平成21年度遊佐町簡易水道特別会計補正予算(第4号)、議第9号 平成21年度遊佐町地域集落排水事業特別会計補正予算(第5号)、議第10号 平成21年度遊佐町介護保険特別会計補正予算(第3号)、議第11号 平成21年度遊佐町水道事業会計補正予算(第4号)、以上6議案は原案のとおり可決されました。

  次の日程に入る前に、本日の会議時間を本日の日程が終了するまで延長したいと思いますが、これにご異議ございませんか。

  (「異議なし」の声多数)

議 長(橋信幸君)  ご異議なしと認めます。

  よって、本日の会議時間は、町長の施政方針が終わるまで、本日の日程が終了するまで延長することに決しました。

  それでは、日程第3、平成22年度の施政方針に入ります。

  時田町長。

町 長(時田博機君)  第460回遊佐町議会定例会の開催に当たり、町政運営の基本的な考え方を明らかにするとともに平成22年度の主要な施策並びに予算編成の概要について申し上げます。

  初めに、遊佐町長として2年目を迎えるに当たり、町民が主役、行政が支援する町づくりを目指して、町政推進のキーワードを働き場、若者、にぎわいとし、町民の声に常に耳を傾け、町民の目線に立った町づくりを引き続き目指してまいります。

  さて、平成21年を振り返ってみますと、世界経済、日本経済、さらには地方の経済を取り巻く環境は大変厳しい1年でありました。政府は、昨年11月に物価の動向を総合すると緩やかなデフレ状況にあるとし、公式に日本経済はデフレであることを宣言いたしました。先行きについても当面厳しい雇用情勢が続くと見られています。まさに100年に1度と言われる経済危機からいまだにその出口が実感できない状況にあります。

  こうした中で国政においては、「コンクリートから人へ」を旗印に政権交代が行われました。新政権の政策として子ども手当、出産支援や公立高校の実質無料化、年金制度の改革、介護労働者の待遇改善などの医療、介護の再生、農業の戸別所得補償、ガソリン税などの暫定税率の見直し、減税、高速道路の無料化、雇用対策など国民生活に大きな影響を及ぼす内容が掲げられています。一方、これらの政策を実現するための財源確保が注目されました。また、政府の実施する事業を精査するため、行政刷新会議ワーキンググループにより事業仕分けが449事業を対象として実施されました。予算要求の縮減対象が172事業、廃止や見直しなどで233事業などの評決結果となっており、この内容が平成22年度の国の予算にどのように反映されるのか注視されるところであります。

  一方、本町においては、遊佐町防災センターが完成し、4月13日に竣工式を行いました。災害発生時に町の指令塔としての重要な機能を持つ防災拠点であります。10月には遊佐中央カントリーエレベーターの工事が着工し、地域情報通信基盤整備事業による光ファイバー網の整備も完了し、12月1日よりブロードバンドサービスの提供を開始しました。また、4月に第4回国土開発幹線自動車道建設会議が開催され、日本海沿岸東北自動車道酒田みなと―遊佐間11.9キロが整備計画路線へ格上げされたことは、大変な驚きと全国的な注目をいただいたところです。町では高速道路対策室を設置するなど協力体制を整えました。さらには、山形、秋田県境区間建設促進期成同盟会を設立するなど地域住民の総意を国に届けてまいりました。日本海側の大動脈である日沿道全線開通の一日も早い実現に努めてまいります。

  町づくりにおいては、各地区町づくり協議会による地域自治活動への支援体制のあり方について、現状の総括を踏まえ、支援体制の一元化に向けて各協議会との意見交換を行い、認識の共有、相互理解を深めてまいりました。

  水道水の濁りでは強制排泥をほぼ全町的に行い対応してまいりました。今後は水源のろ過設備等についても研究、検討を重ね、安全でおいしい水の提供に向け、さらに抜本的な対策を講じてまいります。

  鳥海山を初め日本海の幸や豊富な湧水など豊かな自然環境、資源は町民共有のかけがえのない財産でありますが、昨年は全国へのメッセージが強く発信された年でもありました。映画「おくりびと」のロケ地として、さらには情報番組「ズームイン!!SUPER」や「ダーツの旅」番組の放映により遊佐町が全国に紹介されました。また、映画「座頭市」、「スノープリンス」のロケーションが遊佐町でも行われました。さらには、国史跡指定を受けた鳥海山大物忌神社境内が秋田県内を含めて史跡鳥海山に指定変更されましたことは、全国的なアピール面からも大変喜ばしいことでした。

  一方、雇用問題は、地元定住を促進する施策と密接な関連を持つ重要な課題であります。遊佐町ビジネスネットワーク協議会を結成し、本年2月2日にビジネス研修会を開催するなど、企業誘致や企業支援、雇用の場の確保に向けて情報交換を行いました。

  また、町内住宅関連産業の振興と下水道への接続率向上を図るため、緊急的な活性化対策として持ち家住宅建設支援金制度を創設しました。さらには、町の一般財源を投入し、プレミアム商品券の発行に対する助成、企業奨励条例の改正など地域経済の実態に配慮した刺激施策を実行してまいりました。

  さらに、ハローワーク酒田と連携し、合同就職面接会を3回開催するとともに、庄内地区高校生就職面接会、酒田地区の福祉の仕事ミニフェア就職面接会を行ってまいりました。これからも求職者の就業促進、中小企業支援情報の提供など、町民生活の安定と地元企業への支援を積極的に展開してまいります。

  昨年は、新型インフルエンザが世界的な流行となりました。町では4月30日に対策本部を設置し、周知チラシを配布するなど情報提供に努めました。山形県では、10月28日にインフルエンザ注意報、11月11日にはインフルエンザ警報を発令し、注意喚起を促すとともに、ワクチン接種等の対応に当たってきました。今後も季節性インフルエンザの状況とあわせて引き続き注意を払っていく必要があります。

  今、地方自治体を取り巻く環境は、少子高齢社会、人口減少、産業や経済のグローバル化などといった急激な社会環境の変化の中で、中央と地方の格差や地方の疲弊などの問題が顕在化してきております。選択と集中という厳しい行財政運営を求められる中で、これからも住み続けたいと思ってもらえる魅力ある町づくりに向けて、平成22年度の町政運営に取り組んでまいります。

  初めに、一つ、生き生き遊佐を取り戻そうについて申し上げます。本年3月末で期限切れとなる過疎地域自立促進特別措置法、いわゆる過疎法の期間延長と過疎自治体の指定拡大により本町が過疎地域に追加指定される見通しとなりました。今回の指定を定住化対策等町の政策課題解決につなげる絶好のチャンスととらえ、過疎対策事業債の活用や国の補助率かさ上げ等の制度のもとで、産業基盤の整備、農林漁業経営の近代化、中小企業の育成と安定的な雇用の増大、さらには生活環境の整備と高齢者福祉の分野で総合的かつ計画的に対策を講じてまいります。幸い過疎法の目指す自立促進の方向性は、私が掲げるローカルマニフェスト、3つの町づくりの基本方針に沿うものであります。1、地域経済を活性化し、働く笑顔が見える町づくりを、2、子供から若者、高齢者まで暮らしやすい町づくりを、3、町民が主役、行政が支援する町づくりを、ここに掲げた目標の実行に向けて決意を新たにするものであります。

  (1)、地域経済を活性化し、働く笑顔が見える町づくり。私が目指す町政推進のキーワードは、「働き場、若者、にぎわい」です。昨年には、働き場の確保のための施策として、企業、銀行、JAなどによる遊佐町ビジネスネットワーク協議会を設立しました。また、首都圏を中心にビジネス大使を任命し、優良企業の誘致のための関係機関との連携と企業情報ネットワーク網の整備を図っております。これら民間との行政の協働による働き場の創設と企業誘致活動の強化、さらには地場産品のブランド化や売れる名産品づくりの実践、町内企業への支援強化を通して、町民の所得向上と雇用を確保することによって町に働く人の笑顔とにぎわいを呼び戻し、地域経済の活性化につなげたいと考えております。その施策の第一歩として、若者住宅の整備や若者の働き場の確保に必要な町内企業への支援、地元産品などでの公の施設への使用率のさらなる向上を通じて地域経済の活性化対策に取り組んでまいります。

  (2)、子供から若者、高齢者まで暮らしやすい町づくり。我が町に住む子供から若者、高齢者まで暮らしやすい、そして働く人の笑顔が見える町、生き生き遊佐の再構築が私に課せられた責務だと認識しております。若者定住対策として定住促進住宅建設整備支援事業を柱とする環境整備や若年者健診事業、子育て支援等各種の施策を総合的に導入し、この町に生まれ、住んでよかった、そしてこれからも住み続けたいと思ってもらえるような魅力ある町づくりを進めてまいります。特に定住促進住宅整備に当たっては、民間の資本とアイデアを最大限に生かす方向で支援体制の充実を図ります。

  (3)、町民が主役、行政が支援する町づくり。町民の皆様にとって行政は最大の住民サービスの提供者であらなければなりません。行政に携わる職員の一人一人が心の込もったサービスを心がけて、すべては町民のためにという奉仕の精神を基本に、みずからが考え、企画し、行動を起こす職員の育成に努めてまいります。そして、町民が主役、行政が支援する町づくりのため、町民の声を聞き、町民の目線に立つ行政を進めてまいります。そのためには、町民の皆さんと職員との話し合いを大切にし、また町民同士の議論や町民への説明責任をしっかり果たす中で、信頼と合意に基づく町民とともに歩む行政に誠心誠意努めてまいります。

  次に、2、平成22年度当初予算の編成について申し上げます。我が国経済は、リーマンショック以降経済の低迷と税収減という深刻な事態に見舞われています。このような厳しい経済状況や雇用情勢に対応するため、政府も経済危機対策関係費や明日の安心と成長のための緊急経済対策費など2度にわたる補正予算に取り組みました。本町としても、こういった国の施策等を積極的に活用し、町独自の生活防衛対策を実施してまいりました。

  さて、本町の平成22年度当初予算編成に当たり、歳入においては景気悪化による税収等の減や国の地方財政対策を視野に入れ、歳出においては雇用の確保と創出、子育て支援、町内経済の活性化を図るため、遊佐町総合発展計画第4期実施計画に基づき、年間予算を原則とする予算編成を進めてきました。

  一般会計の当初予算は62億円、前年度対比1億7,300万円、2.9%の伸びとなりました。

  歳入における町税は、今般の経済不況により企業経営が悪化している状況を踏まえ、町民所得が大幅に減少すると予想され、個人町民税で前年度対比2.6%減を見込み、4億900万円を計上しています。法人町民税については、経済不況の影響で相当な減額が見込まれたことから、前年度で大幅な減額計上をしており、企業経営の改善を期待して、前年度同額の4,710万円を計上いたしました。

  また、固定資産税については、路線価区域内宅地単価が下落していることと不況による企業の設備投資の減少により、償却資産に係る分が相当程度減少すると予想されるため、前年度対比1,400万円を減額するなど町税総額で11億2,410万円、前年度対比4.9%の減額を見込んでいます。

  地方交付税については、地方財政計画で前年度に引き続き増額されるようでありますが、そのほとんどが臨時財政対策債という内容であることから、前年度と同額の27億8,000万円を見込んでいます。町債では、臨時財政対策債が前年度対比40%増の3億円を見込んでいますが、町債の元金償還額を町債発行額が上回らないよう十分配慮するとともに、決算を見据えた予算編成を行いました。また、義務教育施設整備基金や観光施設整備基金を活用しております。

  一方、歳出では、遊佐町中央カントリーエレベーターの建設を前年度に引き続き行うとともに、辺地債を利用したしらい自然館体育館の改築や地域活力基盤創造交付金事業等の投資的事業を積極的に計上しました。

  また、母子医療、高齢者医療の給付や新設される子ども手当に取り組むなどハード事業とソフト事業を配分よく実施いたします。

  また、雇用対策としてのふるさと雇用対策事業と緊急雇用対策事業を引き続き実施し、住宅リフォーム制度や持ち家住宅建設支援金事業の継続、新しく定住促進住宅建設整備支援金交付金事業などを行うことにより地域経済の活性化に努めてまいります。

  町税等の歳入不足が懸念される中、無駄を極力省き、さらなる事業の重点化を図り、人件費や物件費、補助費等の一般行政経費の一層の縮減を図りながら、財政の健全化に努めてまいります。

  なお、予算の詳細は審議の過程で説明を申し上げます。

  次に、3、施策の大綱について。(1)、鳥海の四季と人々がつづる町づくりについて申し上げます。映画「おくりびと」は、鳥海山の秀麗な山容を全世界的な規模で情報発信いたしました。従来から豊富な高山植物の宝庫として日本百名山にも名を連ね、全国、海外にまでその名を知られておりました鳥海山ですが、より一層その魅力が全国の皆さんに認識いただけたものと考えております。

  我が町では、こうした鳥海山の魅力を次代につなげるため、既にお花畠保護条例の制定を行い、関係団体と協力しながら、インストラクターやガイドの育成に努めてきております。これからも行政はもちろん本町観光の担い手であるNPO法人、遊佐鳥海観光協会、遊佐町観光開発公社等においても、鳥海山高山植物観察山行や二の滝氷柱探勝会など四季を通じたインバウンド企画に取り組んでまいります。あわせて、鳥海山を核とする観光商品の開発支援に力を注いでまいります。

  鳥海山山頂公衆トイレが本格稼働しておりますが、施設の安定的な維持のため、万全を尽くすとともに、環境に優しいエコに配慮した施設管理、効率的な維持管理を目指してまいります。さらに、鳥海山及び里山の自然保護と鳥海山の安全確保に向け、登山道及び標識など山形県に対する要望を引き続き行うとともに、関係団体と連携を深めながら整備に取り組んでまいります。

  緑豊かな里山や森林資源の保全について申し上げます。公益のために先人が残した大いなる遺産でありますクロマツ林を後世へと守り育てていくため、これまで同様松くい虫被害の防止に取り組んでまいります。国、県、町の重層的な対策によりここ数年被害が減少しておりますが、手を緩めることなく防除に取り組んでまいります。

  一方、計画的な森づくりのため、関係機関と連携し、新たに町有林等の間伐事業の推進、民有林間伐事業等への新たな補助の導入などによるCO削減のための施策に取り組んでまいります。また、12月第1日曜日に設定している遊佐町森林ボランティアの日への参加を一層広範囲なものにして、森林の保全活動を続けてまいります。

  松くい虫の被害とあわせてナラ枯れが多発しておりますが、これまで実施してきた樹幹注入により、防除に加えて県で実施しているフェロモン防除も引き続き取り組んでいただくよう要請してまいります。一般的な樹木に被害を与えるカツラマルカイガラムシによる被害対策と一昨年から被害が出ておりますウエツキブナハムシの動態にも注意を払ってまいります。

  環境の総合的な保全について申し上げます。鳥海山に降った雨や雪は、町内の至るところで湧水となってわき出し、特産の米や岩ガキ等をはぐくんできました。この湧水も遊佐町の大切な財産であります。100%地下水で上水道を賄っている自治体は、山形県内では遊佐町と長井市だけです。全国の環境に関心を持つ自治体のネットワーク組織である環境自治体会議に加入している我が町は、県や他の自治体、研究者と連携しながら、遊佐町環境基本条例に基づき環境保全に取り組んでまいります。

  次に、(2)、安全、安心で潤いと安らぎのある町づくりについて申し上げます。暮らしを支える清らかな水環境づくりでは、水道事業においては、水道ビジョンに基づき効率のよい事業運営を図るとともに、安全で安心な飲料水の供給に努めてまいります。

  上水道について、濁水対策として定期的に配水池及び水道管内の清掃作業を継続して実施するとともに、安定した水量確保のために、浄水場の水源水質整備事業や老朽管更新事業として公共下水道整備区域に残っている約3.9キロメートルを計画的に実施してまいります。

  また、簡易水道については、吹浦簡易水道と箕輪簡易水道を統合する事業を主体的に取り組んでまいります。

  下水道事業においては、白木、平津、平津新田地区での特定環境保全公共下水道整備を予定しており、快適な生活環境づくりに向けて計画的に実施してまいります。

  今後、上下水道の健全な経営基盤の確立に向けて、町民の皆様のご理解をいただきながら、下水道への加入促進を図るとともに、公債費の適正管理など経営健全化に努めてまいります。

  安全で便利な交通ネットワーク化について申し上げます。ゆざ元町地域交流センターをハブとした本町の公共交通ネットワークについては、さらに利便性を高めるため、駅前ロータリーなどの整備のための基本構想づくりに取り組んでまいります。町営バスとデマンドタクシーについては、さらなる利便性と効率性の高い交通システムの構築を目指し、利用者の増加に努めてまいります。

  また、ゆざ元町地域交流センターの入居者を中心にした組織であるゆざっとプラザ協議会で実施している軽トラ市や年の市、イルミネーション設置など、にぎわい再生の取り組みに引き続き支援を行ってまいります。

  緑豊かで調和のとれた居住環境づくりについて申し上げます。青葉台住宅団地等の土地開発公社解散に伴う残余財産の譲渡を受け、町として新たな住環境施策が必要になっております。定住促進住宅の確保など魅力ある居住環境施策に取り組んでまいります。青葉台団地に社宅用地を購入いただいた大阪有機化学工業株式会社様より求めた土地の一部について社会貢献型施設の利活用を町に提案いただいており、町としても今後積極的な対応を行い、地域の魅力ある発展に努めてまいりたいと考えております。

  道路、橋梁の整備促進について申し上げます。地域活力基盤創造交付金事業を導入して、国道345号から本町中心部への進入路の新設や町立遊佐中学校までの歩道設置、防雪さくの設置、老朽橋のかけかえを予定しております。また、町道の施設維持管理のほか、狭隘路線の部分改良や老朽化した舗装の補修、道路側溝の整備を進めてまいります。

  また、橋梁については、橋梁長寿命化修繕計画策定に向けた調査を進めてまいります。

  昨年事業開始となりました日本海沿岸東北自動車道については、早期開通に向けて関係機関と調整を図りながら取り組んでまいります。

  町並み景観づくりの推進について申し上げます。都市計画税停止を行った後の元町地域を中心とする本町市街地のあり方と開発計画について、これからの町づくりの指針を作成するため、町並み再生のための懇談会を組織し、町民の意見集約に努めてまいります。本町の中心部に新設した都市計画道路や都市計画公園に隣接する区域に環境にすぐれた居住地区を形成するため、民間活力を積極的に活用しながら推進してまいります。

  また、人口の定住促進のため、持ち家住宅建設支援金事業や住宅リフォーム資金特別融資制度を継続するとともに、定住促進住宅建設への支援事業を新設してまいります。

  町営住宅については、施設の維持管理を図りながら、入居者の動向調査などにより、棟数や配置など将来計画を策定してまいります。

  安心して暮らせる町づくりについて申し上げます。地震、津波、洪水などの災害発生時に自主避難が困難な方の避難を支援する災害時要援護者避難支援計画を策定し、その普及を自主防災組織及び福祉団体と連携して進めてまいります。また、遊佐町洪水ハザードマップを全戸配布し、洪水時の安全確保について普及、啓発を図ってまいります。

  新たに女性消防団員を募集、採用し、防火、防災の啓発活動などに当たっていただきたいと考えており、防災訓練の実施とあわせ、自主防災組織の活性化を図ってまいります。

  また、消防力を維持するため、小型動力ポンプの更新、防災資機材庫の改築、さらには防火水槽及び防災行政無線拡声装置の整備を引き続き実施するとともに、火災発生時のサイレン吹鳴を直接消防本部通信指令室で行える装置を整備してまいります。

  次に、(3)、多彩で元気の出る産業をはぐくむ町づくりについて申し上げます。国は、平成22年度、米戸別所得補償モデル対策事業を実施することとなりました。この政策は、米の生産数量目標に即した生産を行った販売農家と集落営農に対し、10アール当たり1万5,000円の所得補償を直接支払うことにより実施しようとするものであります。生産調整の達成を基本とする40年来の農政の大転換と言えるものであります。また、同時に実施される水田利活用自給力向上事業では、農業の自給力向上を図るため水田を有効活用して、麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の戦略作物の生産を行う販売農家に10アール当たり8万円から1万円の交付金を支給するものです。このような農政の大転換に関する施策の実施については、参加農家に対する影響も大きく、JAだけでなく関係機関と十分な協議を行い、課題を解決しながら町としての施策を展開していく必要があると考えております。

  我が町では、これまでも高品質で安全、安心のトレーサビリティーに基づいた農産物販売に努めてきました。昨年から取り組んでいる遊佐中央カントリーエレベーターが完成し、一層高品質でおいしい遊佐米の生産により、生産者と消費者の良好な関係をさらに発展させていくことができるものと期待しております。

  4年目を迎える農地・水・環境保全向上対策事業では、農地や農村環境を保つために取り組む共同活動と営農活動に町としても支援を継続してまいります。

  中山間地域直接支払い制度は、新たな計画年度に入りますが、要件緩和に沿って対象地域の拡大を含め、国、県とあわせて支援を継続してまいりたいと考えております。

  園芸、畜産の振興について申し上げます。安全でおいしい農産物の産地づくりを目指し、パプリカや花卉等の園芸作物の振興を図るとともに、畜産を含めた複合経営と地域内循環を目指す環境保全型農業を一層推進してまいります。そのため、町の産地化推進作物の見直しを含め、町の振興作物への支援を努めてまいります。

  地産地消、地元農林水産物のPRのため、農林水産祭りを鳥海ツーデーマーチに合わせて開催するとともに、販売拡大のため、生活クラブ生協と連携した遊佐産フェアを新たに取り組んでまいります。

  また、青年農業後継者、農村女性等の担い手育成のため、パプリカ栽培の海外研修支援に引き続き取り組んでまいります。

  さらに、畜産では遊佐町家畜貸し付け基金による繁殖牛農家の支援などに取り組んでまいります。

  農産加工の推進について申し上げます。農産加工については、玄米おこし、かきモチ、金俣そば、彦太郎糯、あかり味噌、干しガキ、天然サケの昆布巻やタコ飯のもと、特産パプリカを使った新しい加工品、さらに耕作放棄地対策でつくった本格芋しょうちゅうなど新たな取り組みを進め、担い手の育成と起業家を支援してまいります。地域資源である安全でおいしい農産物に付加価値をつけ、高品位な販売を目指すという農産加工は、加工のアイデア、技術、保存、保管、流通、販売策の確保など取り組まなければならない課題が多くあります。生産者である農業者とさまざまなノウハウを持つ企業、組合、NPOなどとのネットワークの中で、地域資源を生かした新たな農産加工を目指してまいります。あわせて、農地法の改正に伴う企業の農業参入については、基本的に町内外の農商工連携で対応し、農業の育成支援とネットワークの構築、新たな地域特産物等の開発に取り組んでいきたいと考えております。

  水産、林業の振興について申し上げます。海水面漁業では吹浦漁港のサンドポケットのしゅんせつ整備を県に要請するとともに、女鹿漁港の突堤の整備、改修に取り組んでまいります。

  沿岸漁業の振興では、平成21年から取り組んでいる藻場の再生事業に取り組む一方、引き続きヒラメ稚魚、アワビの放流事業に取り組んでまいります。また、あわせてこれらを担う若い漁業者の支援に努めてまいります。

  内水面漁業では、月光川本流におけるサケの資源調査を引き続き実施し、あわせてサケ資源を活用した加工、生産の支援に努めてまいります。

  林業の振興では、国、県事業を有効に活用しながら、間伐、路網の整備などによる健全な森林の整備とCO削減に努めてまいります。

  工業の振興について申し上げます。企業誘致では、昨年企業ニーズをベースとしたマッチングの支援を行うことを目的に、遊佐町ビジネスネットワーク協議会を立ち上げ、あわせて首都圏を中心に遊佐ビジネス大使制度を設立しました。協議会での情報交換とビジネス大使を中心にした企業情報の収集に努め、山形県、酒田市と連携し、企業誘致や企業による地域資源の活用に積極的に取り組んでまいります。そのため、大幅な改正を行った企業奨励条例、企業立地促進条例等を活用し、企業立地と雇用開発に結びつくよう努めてまいります。

  商業の振興について申し上げます。サブプライムローン問題に端を発したアメリカ発の金融危機はいまだに尾を引いており、本町の商工業への大きな影響を与えております。地元企業の経済活動を支援するため、遊佐町工場用水使用料支援補助金交付要綱を新設するとともに、遊佐町雇用創出対策助成金交付要綱の大幅な改正、中小企業技術者養成研修補助制度の拡充等に取り組み、地場産業の育成と活性化に努めてまいります。さらに、緊急経済活性化対策で実施してまいりました企業向けの情報メールマガジンの一層の充実に努めてまいります。また、平成18年度から20年度に取り組んだ地域提案型雇用創造推進事業に再度提案を行い、新たな企業支援、農産加工品の開発、遊佐の市の拡充、インバウンド観光の支援に取り組み、総合的な雇用開発に取り組んでまいります。

  商業支援では、昨年度遊佐町商工会で実施したプレミアム商品券の発行による商店の活性化を引き続き支援してまいります。

  観光の振興について申し上げます。平成20年3月に策定された遊佐町観光基本計画を推進するため、遊佐町観光戦略会議を設置し、基本計画のアクションプログラムの推進方法と体制等について検討を行っております。特に遊佐町の観光を担う団体の今後のあり方について集中的に議論を深めてまいります。

  日本海きらきら羽越観光圏整備実施計画では、本町初め3県、10市町村が滞在型観光の確立を目指すほか、JR東日本の重点販売促進地域に指定されていることから、引き続き誘客のための取り組みを行ってまいります。

  また、来年度から山形道の無料化が予定されており、観光客の誘致に有利に働くと考えております。

  映画「おくりびと」のロケ地となった月光川には多くの観光客が訪れました。映画のロケ地は一定の観光客の増加が見込まれることから、今後もフイルムコミッションの誘致、支援に努めてまいります。

  インバウンド観光の振興に当たっては、これまで実施してきた韓国からの鳥海山トレッキング誘致に加え、台湾から山形空港へのチャーター便観光客の庄内への誘客について地元エージェントと連携しながら取り組んでまいります。

  鳥海2236ゆざ親善大使の皆様からおいしい山形プラザを初め友好都市等での物産展や遊佐の市支援などのイベントを通じ、遊佐町を広く全国に発信いただいておりますが、これからも観光情報等の発信を充実してまいります。

  また、我が町の最大の誘客イベントである奥の細道鳥海ツーデーマーチは、「子どもと歩こうYUZA宣言」にふさわしい大会にするため、各小中学校及びPTAによる全児童生徒及び保護者の参加をお願いし、宣言の具現化に努めてまいります。

  遊佐町観光開発公社について申し上げます。平成20年12月1日から新しい公益法人制度が施行されております。施行から5年以内に遊佐町観光開発公社が新公益法人の認定を受けるか、あるいは一般法人に移行するかを申請する必要があります。遊佐町観光戦略会議及び公社理事会等で検討を行っておりますが、平成23年度までにはその方向性を明らかにしたいと考えております。

  労働環境の充実について申し上げます。勤労者の支援については、勤労者生活安定資金貸付金や勤労者信用保証対策貸付制度の一層の充実に努めてまいります。

  また、月1回実施しておりますハローワーク酒田との定期協議、年3回程度実施するワークチャンスの就職面談会、さらに遊佐高校を中心とする高校生の就職支援に取り組み、雇用の改善に努めてまいります。

  雇用環境が厳しくなっていることから、3カ年にわたる国のふるさと雇用、緊急雇用、そして平成21年度第2次補正で追加された重点分野における雇用の創造等に町として積極的に対応するとともに、町単独の雇用施策もあわせて地域雇用の改善に努めてまいります。

  消費者保護の推進について申し上げます。振り込め詐欺、多重債務等の消費トラブルが頻発し、町の消費者相談窓口への相談も複雑化し、増加傾向にあります。本年3月に国の消費者ホットラインが庄内消費者センターに開設することになっており、トラブルに対する適切な助言や情報提供、相談等が行われることを期待しております。町としても引き続き被害者相談の取り組みや消費者の会との連携による研修会等を開催し、消費トラブルの未然防止と問題解決を図ってまいります。

  次に、(4)、明るい笑顔に満ちた心触れ合う支え合いの町づくりについて申し上げます。住みなれた地域で安全、安心にして健やかに暮らしていくことは、町民だれもが願うことでもあります。そのため、遊佐町地域福祉計画に基づき、福祉に対する町民意識の高揚と高齢者福祉を初めとする地域福祉の推進を引き続き図ってまいります。

  また、地域福祉の中心的役割を担う社会福祉協議会の活動と各種福祉団体活動、民生児童委員活動等の育成、支援を行いながら、町民、団体、行政が一体となった地域福祉活動を展開するために、その環境整備に努めてまいります。

  高齢者福祉の推進について申し上げます。高齢者が健康で自立した生活を送るために、参加者がふえているはつらつ貯筋講座を初めとした高齢者体力アップ事業など地域ぐるみの健康づくり運動を推進してまいります。

  また、要介護認定者の増加傾向に対し、要介護とならないために、生活機能評価、いきいき教室、転倒予防教室事業などの介護予防事業を充実するとともに、地域包括支援センターによる高齢者の総合的相談業務の強化を図ってまいります。さらに、介護サービスにおいては、遊佐町地域ケア会議の開催により各事業所間との情報交換を密にし、在宅介護の一層の充実を図ってまいります。

  一方、制度設計については、政権交代による国の動向を的確に把握し、入所待機者、参酌標準、介護保険料等の課題について町民、議会の意見を賜りながら、関係機関と連携し、制度改善要望を行ってまいります。

  障害者福祉の推進について申し上げます。障害者自立支援法及び障害者計画、障害福祉計画に基づき、障害のある人々が安心して地域社会で自立した生活を営めるよう、自立支援システムの構築を目指していくとともに、酒田市、三川町と共同で開設した相談支援事業所、サポートセンターあおぞらと連携を図り、地域生活の支援を充実いたしていきます。

  なお、制度の見直しについては、介護保険同様に的確な対応を講じてまいります。

  未来をはぐくむ児童福祉の推進について申し上げます。安心して産み育てられる町づくりを推進することが、町民の福祉の向上に結びつき、ひいては少子化対策にもつながることと考えております。この観点に立ち、平成21年度から実施した妊婦健診に対する助成回数14回を継続し、母子の良好な健康保持に努めてまいります。

  また、同様に子育て支援医療給付においても、引き続き小学校3年生まで、入院は6年生までを対象とし、保護者負担の軽減に努め、子育て環境の向上を図ります。

  一方、保育園児業においては、健康で明るい子供、心の豊かな子供、自分のことは自分でできる子供、心の触れ合いを通していたわりの心を持つ子供の4つの目標を掲げ、保護者、地域と連携を図り、その充実に努めてまいります。

  さらに、保育ニーズに合わせた土曜、延長、一時保育や子育て支援センター事業における各園での子育てを支援する移動子育て支援事業についても継続してまいります。

  健康づくりの推進について申し上げます。生涯を通して心身ともに健康で生き生きとした人生を送りたいということは、すべての町民の願いでもあります。そのためにも、健康ゆざ21計画や特定健診等実施計画に基づき、健康は守るものから自分でつくるものという意識づくりを推進してまいります。具体的には、食生活等の生活習慣の確立による1次予防に重点を置いた地域ぐるみの健康づくりの推進や生活習慣病の予防、早期発見、早期治療を推進するため、特定健康診査、特定保健指導などの保健事業を充実してまいります。とりわけ健診率の向上に努めます。

  また、平成22年度においては、特定健診の対象外となっている20歳から40歳の若年者健診を町単独事業として実施します。

  さらには、医療費の低減を図りながら、国民健康保険制度や後期高齢者医療制度の適正運営に努めてまいります。

  次に、(5)、ふるさとを愛し、豊かな心を育てる人材の育成について申し上げます。急速な科学技術の進歩と情報化社会、高齢化と少子化の進行など急激な社会状況の変化の中で、一人一人がみずから進んでテーマを選び、自分に合った方法で豊かさや新たな価値観を求めるため、いつでもだれでもどこでも学習できる生涯学習の充実はますます重要になっております。平成21年度より生涯学習センターが発足し、生涯学習の中核施設としての役割を担ってまいりました。本年度は、各地区公民館及び町づくり協議会などとの連携を一層密にし、生涯学習事業等の支援を行ってまいります。

  地域とともにつくる特色ある学校づくりについて申し上げます。町内の各小中学校では、これまでも児童生徒が安心して学び、生きる力を身につけることができるように創意ある学校づくりに努めてまいりました。大きな可能性を秘めた児童生徒が豊かな成長を積み重ね、命輝く存在となるためには、家庭や地域、行政が一体となり、児童生徒を支えていくことが大切であります。一人一人に合ったきめ細かな指導や支援を行うために、引き続き教育相談員やスクールカウンセラー、特別支援教育支援員などを配置してまいります。

  また、各学校が地域教育の拠点としてその機能が十分発揮されるよう、提案型の元気な学校づくり推進事業を引き続き実施してまいります。

  食育推進事業や長期宿泊体験事業などの施策を展開し、地域の教育力を生かして、自然や人、歴史、文化などに触れる機会を多くし、さまざまなかかわりや体験を通して命のつながりや多様性を気づかせ、ともに生きる人間としてのあり方をはぐくんでいきたいと考えております。

  文化財の管理、保存について申し上げます。国の史跡の指定を受けていた鳥海山大物忌神社境内が昨年7月に秋田県にかほ市、由利本荘市に範囲が拡大され、史跡鳥海山として指定されました。平成22年度は、秋田県側とも連携をとりながら、昨年度に引き続き史跡保存管理計画を充実してまいります。

  小山崎遺跡は、15年にわたる発掘調査が行われました。吹浦遺跡、柴燈林遺跡とともに、縄文時代早期から晩期中葉に至る約3,800年にわたって縄文人が暮らした希有な遺跡であること、高い地下水による低湿地があるため、魚やけものの骨、木製品、漆製品などの有機物の出土が多く、当時の食生活や環境まで解明できる日本でも数少ない遺跡であります。また、周辺の杉林を広葉樹の森林に、田んぼを潟湖とみなせば縄文時代とほとんど変わらない景観であることなどから注目を集めています。昨年は、県で保管していた貴重な遺物の遊佐町への移管も終わり、本年度はこれまでの調査結果を報告書にまとめてまいります。

  さらに、国指定重要文化財建造物である旧青山家住宅は、土蔵の屋根のふきかえに続き、本年度は母屋の屋根をふきかえる予定であります。そのふきかえに当たっては、文化財的価値を損なわないよう使用可能なかわらを再利用するなどし、できる限り現物に忠実に復元することとしています。

  芸術文化活動について申し上げます。暮らしの中に、絵画、音楽、文学、演劇、舞踏などの活動があれば、人生はより豊かになります。また、民族芸能の保存伝承活動は地域づくりの原点とも言えます。これまで同様、芸術文化協会、民俗芸能保存協議会、また公民館、学校とも一緒になって、種々の芸術文化事業の開催と町民の学習活動成果を発表する機会を提供してまいります。

  生涯学習基本計画の策定について申し上げます。生涯学習を取り巻く情勢や町民の意識の変化に対応するため、昨年度から継続して町づくり活動を基本に据えた生涯学習基本計画を改定する作業に入っています。町づくり活動の基本になるのは生涯学習活動であります。町長部局、教育委員会が一体となって地域活動を支援してまいります。

  生涯スポーツの振興について申し上げます。本年度は学校の体育館などが一般開放されて3年目となります。他の体育施設を含め、利用しやすい施設を目指し、これまでスポーツとはなじみのなかった方々にも利用していただき、スポーツは楽しい、体を動かすことは楽しいということを実感していただけるよう努めます。

  次に、(6)、自主性に富み、ともに生きる町民主役の町づくりについて申し上げます。町づくりの原則は、互いの立場を尊重し、平等の認識のもとに、主体性と責任を持って地域社会に参加することはもちろん、集落、地域のつながりを大切にしながら、地域のあるべき姿を模索し、地域課題の解決を住民みずからが考えることにあります。平成22年度より各町づくり協議会の活動計画に対し予算配分を行う仕組みとすることで、地域の実情に合ったその地域ならではの特徴を生かせる運営が始められようとしています。そのためには、町も地域と一緒に考え、議論するというスタンスで、地域活動交付金制度や地域担当職員制度を中心に、支援のあり方について検証を重ねながら強化していきたいと考えております。

  また、地域課題については、地域でできること、行政が行うべきことを整理し、行政が行うべき課題については振興計画への反映する仕組みを確立させていきたいと考えております。

  このほかにも、町民の皆さんの持つ豊かな発想や知識、経験などを広く町政に生かすまちづくり町民提案制度や地域の各種団体等の自主的、自発的な活動を支援するため、遊佐きらきらマイタウン事業は引き続き実施してまいります。

  次代を担う青少年の町づくりについて申し上げます。少年町長、少年議員公選事業は第8期目を迎えます。これまで中高生ならではのさまざまな取り組みを数多く行っていただきました。

  また、中高生ボランティアや成人式実行委員会から育った青年グループが町づくりに参画しており、若者の活動も活発な兆しが出てきております。これからも地域の一員として仲間づくりの輪を広げてもらい、地域社会に積極的に参加する青少年を育ててまいります。

  国際交流及び国際理解事業の展開について申し上げます。国際交流事業に関しましては、昨年11月にソルノクフィルコンサートに合わせてソルノク市長一行が来町され、交流の深まりを確認することができました。

  今後、遊佐町国際交流協会や国際交流推進協議会との連携、協調を図りながら、町民の皆様の意見を聞き、国際交流のあり方について検証し、友好交流都市であるソルノク市との交流を初め遊佐町に在住されている外国からのお嫁さんなどへの支援など多様な国際理解のための交流事業を展開してまいります。

  次に、(7)、健全な行財政の運営について申し上げます。地域主権、高度情報、少子高齢、人口減少、そして産業経済のグローバル化など、地方自治体を取り巻く環境はかつて経験したことのない社会の急激な変化に直面しております。各種事業、行政サービスの充実についても、あれもこれもの時代からあれかこれかという選択と集中の行財政運営を計画行政を基本に推進しなければならないと考えております。

  遊佐町新総合発展計画、実施計画は第4期を迎えます。施策の実施に当たっては、十分な町民説明と理解のもとに、事業の進捗状況や効果の検証に努め、結果について公開しながら、町民主役の町づくりに努めたいと考えております。

  また、計画策定の透明性を高めるための手法や町民の皆様方の意見反映を行えるような審議会等の運営方法の見直しについても検討してまいります。特に町民の満足度を高めるためには、町民の目線、町民の意見を大切にした町づくりを推進してまいります。これまでも主要施策の策定見直しに関するパブリックコメントの実施、広報ゆざ「まちかどホットライン」による意見募集、まちづくり町民提案制度等を通して町民の皆様方の意見を伺ってきましたが、必ずしも十分でなかった面もありました。そうした反省に立って、行政事務事業評価制度における町民代表による外部評価の導入を図る必要があると考えております。

  また、今年度に行った各地区町政座談会、町づくり協議会との意見交換会も年度計画に位置づけるとともに、出前トーク町長と語るを新設するなど、より一層町民の皆様との対話を深めてまいります。

  広域連携事業について申し上げます。酒田地区広域行政組合はもちろん、庄内開発協議会や庄内広域行政組合などとの広域連携を強めるとともに、高速交通体系の早期整備と産業基盤の整備、教育と医療、福祉の充実強化を重点とし、地域や県域を越えた連携により、潤いと活力に満ちた魅力ある広域連携事業に取り組んでまいります。

  4、結びに。信頼と合意に基づく町民とともに歩む行政を目指して。遊佐町は、鳥海山と月光川、日本海の豊かな自然の恩恵に浴しながら、多くの人材を輩出してきました。先人が築き上げてきた自然と共生する町遊佐を礎とし、この地に生まれ育ったことに誇りと愛着を持ち、暮らすことに夢と希望の持てる町づくりに取り組んでまいります。地域経済の活性化を図り、我が町に住む子供から若者、高齢者まで、暮らしやすい、そして住む人の笑顔が見える町、生き生き遊佐の再構築を目指すものであります。町民が主役の行政が支援する町づくりに粉骨砕身、全身全霊を傾けてまいる所存であります。

  行政は最大の住民サービスと言われております。職員とともに心の込もったサービスをすべては町民のためにという奉仕の精神を基本として、現場に足を運び、スピード感を持って取り組んでまいります。

  改めて、町民並びに議会議員各位のご理解とご協力、ご支援を賜りますよう衷心よりお願いを申し上げ、平成22年度の施政方針といたします。

議 長(橋信幸君)  以上で本日の日程は終了いたしました。

  3月4日午前10時まで延会いたします。

  ご苦労さまでした。

  (午後5時)